第1話『東京の魔女』
時は神化40年代――日本では巨大宇宙人、スーパーロボット、妖怪などの「超人」たちが活動していた。怪事件を起こす一方、破壊を食いとめて人を救うこともある「超人」たち。その登録と保護を任務とする「超人課」所属の人吉爾朗は、喫茶店でウェイトレスをする星野輝子のスカウトに来た。彼女は「魔女っ子」タイプの超人なのだ。その眼前で正義の超人グロスオーゲンとS遊星人の戦いが始まり、爾朗と輝子も参戦を余儀なくされる。
第2話『「黒い霧」の中で』
風郎太は、変身能力をもつイタズラ好きのオバケ。銀座のデパートで鳥になり、売り物になっていた美しい虫を逃がしたが、それは普通の昆虫とはまるで違うものだった。同時に発生した『黒い霧』は永田町に流れ、国会議事堂周辺を包みこんでしまう。対処にあたっていた爾朗と輝子は警察で風郎太に出逢い、「超人課」に連れてきてしまった。その活動に興味を抱いた風郎太は仲間に加わろうと、『黒い霧』に立ち向かおうと試みるが……。
第3話『鉄骨のひと』
連続爆破事件の発生で、世間は騒然としていた。超人事件専門の刑事・柴来人は、遺留品のないことに不審を抱く。軍事企業の八束重工の社員を襲撃したとアタリをつけ、立川の工場を捜査中の来人は、近くの公園で美枝子という名のセーラー服の少女に出逢った。以前から敵視する「超人課」との対立が深まったとき、彼女に隠された驚くべき秘密が露呈した。悪の組織に生命を奪われて機械の身体にされた来人の心に、複雑な想いが去来する。
第4話『日本「怪獣」史 前篇』
怪獣と戦ってきた超人グロスオーゲンが地球を去り、約一ヶ月が経過した。それを待っていたように続々と現れる怪獣。人間型衛星(ヒューマンサテライト)ロボットアースちゃん等、新旧合わせた多くの超人たちが戦うことで、大きな被害を出さずに各事件は食い止められた。空前の怪獣ブームの中、怪獣専門ラジオを始めようとする会社を訪問した爾朗は、人と仲良くする小怪獣ガゴンを目撃する。悪人に操られて暴れまわる怪獣には、どんな謎が潜んでいるのか?
第5話『日本「怪獣」史 後篇』
宇宙怪獣を兵器に転用したアメリカに対し、諸外国も抑止力としてこれに追従する動きをみせていた。時として制御不能となることもあり得る怪獣に対し、平和利用は可能なのか。怪獣に疑念を抱く大衆の感情を背景に、反対運動はより活発となっていく。超人課は失踪した松本正次を追って平和大学へ潜入するが、爾朗は謎の薬品を注射されてエクウスで暴れ始め、行方不明となったはずの米軍の宇宙怪獣がガゴンと融合して激闘を始めた。
第6話『やつらはいつでも笑ってる』
人気コミックバンド“マウンテンホース”は、かつて神化41年6月に「四人組」が来日して日本武道館を満員にしたとき、前座で演奏していた。コンサートの本番が始まり、音楽の力で開放されていく若者の心――それは「四人組」がもつ超人の力なのか。接触したマウンテンホースのメンバーたちにもそれぞれ超能力が宿ったが、笑いにしか使えないものばかりだった。やがて若者たちに発現し始めた超人の力をめぐり、陰謀が進行していく。
第7話『空も星も越えていこう』
武装強盗集団ダイヤイーターの一味だった超人ジュダスこと三純光は、人間衛星アースちゃんに倒されて心を入れ替えた。刑務所を出て超人課に登録された光は、自分と同じ若者たちの活動を護ろうと決意する。だが、助けを求める人間の脳波に反応するアースちゃんの過激な行動は、絶対の正義として世間に認知されていく。地球防衛軍への日本参加決定に反対する羽田空港の学生デモ、その前に総理大臣を護衛するアースちゃんが現れた。
第8話『天弓ナイトをだれもしらない』
音無弓彦ひきいる少年探偵BL団は超人登録を拒否し、ギガンター7という巨大ロボットで独自活動を続けていた。そんな弓彦のもとに、悪の超人・ルシファーの瞳が超人・天弓ナイトの「三日月銃」をコレクターから奪うという予告状が持ちこまれる。天弓ナイトは戦後日本を勇気づけた人気超人で、爾朗も彼に救われた体験を大事にしている。だが正義の味方の天弓ナイトは「大鉄君誘拐事件」の犯人とされ、その死因には謀殺説があった。
第9話『果てしなき家族の果て』
古美術商店「もりの屋」で暮らす専業主婦の畑山サナエたち6人家族。彼女の夫・稔はアメリカとの開戦時に日本人捕虜第1号となり、未帰還のまま30年近くが過ぎていた。平凡にも見える畑山家だが、近所の化学工場で発生した大災害の中を生きぬき、時を超えて幾度となく同じ家族構成で目撃されるなど、不死超人の疑いがかけられていた。超人課が目をつけ風郎太たちが内偵を進めたとき、サナエに稔からの帰還連絡が入ってきた。
第10話『運命の幻影』
政治家から凶悪犯まで、悪と独自認定した者を容赦なく抹殺していく狂信的団体インフェルナル・クイーン。その科学万能母艦IQ号が南北アメリカ大陸から超人課のいる日本へと飛来し、犯罪者を処刑し始めた。そのIQのリーダーと同じ姿をした兵馬に嫌疑がかかり、仮面の公共保安部長・赤光が超人課に乗りこんでくる。同一人物が同時に存在しているのか? 謎の影にはジャガーこと兵馬の、他人と決して分かちあえない秘密が隠されていた。
第11話『正義/自由/平和』
小笠原諸島の返還にともない、アメリカ海軍の最新鋭潜水艦アンタレス号が横須賀へ寄港することになった。港には人気超人グループ“エンジェルスターズ”のイベント目当てに、学生たちが大挙して集まってきた。群衆に潜んでいた過激派超人たちが抗議活動を開始し、演奏に合わせて音符が実体化して大騒ぎが起きる。そして怪剣クロードと名乗る超人が潜水艦を一刀両断し、アンタレス号内部に隠された恐るべき秘密を暴き始めた……。
第12話(最終回)『八高超人墜落事件』
札幌で発生した医師・看護婦の惨殺事件。魔法と科学をあやつるSPRの子どもたちの調査で、超人が忌まわしい実験材料とされていた事実が明らかになった。主犯と目される怪剣クロードの意図は何か? 都立八方高校を訪れた輝子の前に、ソ連から飛来した英雄超人ガルボイ・ライカーが変わり果てた姿で落下してきた。自衛隊とアメリカの超人マスター・ウルティマの撃墜によるものという証言を得た学生たちは、国家権力の横暴に立ち上がる。