第1話『災厄の時代』
グリンウッド大陸の北東部に位置するハイランド王国では、ここ数年の異常気象が原因で農作物への被害が増え、さらには体の不調を訴える者が出てきていた。そんな中、王国の王女であるアリーシャは、グリエルという村に奇妙な霧が発見されたと報告を受け、クレムを調査に向かわせる。しかし、一向に連絡がないことを心配したアリーシャは、従者と共にグリエルへと向かう。奇妙な霧は、依然としてグリエルに立ち込めていた……。
第2話『天の都』
グリエルで出会った人々や、従者たちが次々と竜巻に飲み込まれ、独り残されたアリーシャ。彷徨い歩くうちにたどり着いた遺跡で、世界を災厄から救うといわれる「導師」の壁画を見つけるが、大量の虫に襲われてしまう。命からがら逃げ出したアリーシャは、導師の紋章に導かれるように天の都を訪れた。その頃、天族の杜・イズチで暮らす人間の青年・スレイと天族の少年・ミクリオも、その遺跡にやってきていた。
第3話『イズチ』
遺跡で出会った少女・アリーシャをイズチへと案内することにしたスレイ。人間を案内することに不満なミクリオだが、スレイは困っている彼女を放っておけないとミクリオに告げる。イズチへ到着したアリーシャは、藁にもすがる思いで天族に助けを求めるが、その願いは天族たちには届かない。天族たちは、人間をこの地に禍をもたらす存在と考えているからだ。これまで天族を信じてきたアリーシャだったが、「天遺見聞録」に書かれた伝承はおとぎ話に過ぎないと心を痛めるが…。
第4話『聖剣祭』
アリーシャの出立後、イズチに現れた謎の男がアリーシャを狙っていることを危惧したスレイは、ミクリオと共にアリーシャより聞いた「聖剣祭」が行われる水の都レディレイクを目指す。都にたどり着いたスレイは、初めて見る人間界の風景や人々に、感動を隠せない。そこで出会った少女・ロゼの助けもあって、無事都に入ることに成功したが、都は穢れで満ちていた。ミクリオが穢れの影響で体調を崩す中、スレイは街でアリーシャを狙っていた男を発見する。
第5話『導師のさだめ』
レディレイクに現れた憑魔から人々を救うため、導師となるべく湖の乙女の聖剣を抜いたスレイ。憑魔は倒せたものの倒れてしまったスレイだったが、無事意識を取り戻す。アリーシャから伝説の導師の衣装になぞらえた導師服を受け取り街に出たスレイは、あちこちに導師の紋章が入った旗が掲げられているのを目にし、導師への期待を肌で感じることになる。その後、スレイは湖の乙女・ライラの器となったことで自分が穢れを感じ取れるようになったことを知り、水道遺跡から感じる穢れの原因を探ろうとする。
第6話『災厄のはじまり』
牢獄に囚われた女性・ベルベット。彼女は「業魔」と呼ばれる魔物を喰らい、牢獄の中で何年も生き長らえていた。ベルベットの目的はただひとつ。それは業魔と戦う力を持つ対魔士の組織「聖寮」を率い、救世主と呼ばれているアルトリウス・コールブランドへの復讐。そんな彼女の前に、かつてアルトリウスのパートナー務めていた聖隷・シアリーズが現れ、ベルベッド脱獄の手助けをしようとする。
第7話『ベルベット・クラウ』
業魔の青年・ロクロウの助力もあり、牢獄のある塔から脱出したベルベット。監獄島は船以外では出入りができないため、ベルベットはシアリーズと共に港を目指す。しかし港には、ちょうど一等対魔士のオスカーがやってきていた。アルトリウスの命に従い、ベルベットを拘束しようとするオスカー。受けて立つベルベット。オスカーはアルトリウスが示した世界の理こそが正しいと信じているが、ベルベットはその世界が弟の犠牲によって成り立っていることが許せないのだ。相容れないまま戦い続けようとするふたりの前に、突如ドラゴンが現れる。
第8話『それぞれの想い』
ライラから導師の本当の使命を聞いたスレイの前に、ドラゴンが現れる。ドラゴンはスレイを攻撃することなく姿を消したが、それを見た市民たちはスレイに感謝し、さらにスレイはバルトロから自邸へと招かれる。バルトロ邸へ向かう途中、街の人々の間から穢れが瘴気となって立ち上る様子を見て、レディレイクの穢れが増す前になんとかしなければと、ドラゴンを追う決意をするスレイ。一方ミクリオは、導師となったスレイに感化されるように、自分の成すべきことを考え始めていた。
第9話『霊峰レイフォルク』
ミクリオがガラハド遺跡で魔を鎮めるという伝説の神器を探す一方、マーリンドへと向かうアリーシャと別れた後、スレイはドラゴン伝承に登場する場所、霊峰レイフォルクを訪れる。そこで、憑魔に襲われていた天族の少女エドナと出会う。スレイはライラと共に憑魔に相対するが、穢れが強すぎて決定打を与えられなかった。そんな中突如現れた天族ザビーダが憑魔を葬ってしまう。憑魔を殺すことが流儀だというザビーダにスレイは異を唱えるが、そんなスレイに「殺すことで救えるヤツもいる……かもよ?」と、ザビーダは含みのある言葉を告げる。
第10話『疫病の街』
医師団と共にマーリンドへ向かっていたアリーシャたちは、大雨で壊れた橋を目の当たりにしながらも、なんとか迂回路を探し出そうとする。一方、旅を続けるスレイは、ドラゴンを神として祀った遺跡が数多く残るというローランスを目指していることを天族のエドナに告白。天遺見聞録に書かれたことを素直に信じるスレイに、エドナはややあきれながらも同行を申し出る。その後、ライラから「浄化とはどういうものか」尋ねられ、今後憑魔とどう対峙すればいいかを思い悩むスレイ。その時ミクリオは、神器を手にし、渦を巻く雲の立ち込めるグリフレット橋を目指していた。
第11話『アリーシャ・ディフダ』
逃げたドラゴンパピーを追ってマーリンドへやってきたスレイは、弓の神器を手に入れたミクリオと再会。ミクリオと陪神契約を交わし神依化したふたりの矢で、ドラゴンパピーの浄化に成功した。その後、スレイとミクリオはマーリンドを復興するべく、街の水の浄化を行っていく。さらに、アリーシャとレディレイクから復興に向け届く荷物の仕分けの手伝いに向かったスレイの前に、かつてレディレイクに入る際に手を貸してくれた商人「セキレイの羽」のロゼが現れる。彼女たちもレディレイクから荷物を運んできたのだ。
第12話『戦争』
天族のロハンとノルミン天族のアタックにマーリンドの加護を任せたスレイたちは、バルトロが起こそうとしている戦争を止めるべく、ハイランドとローランスの国境に位置するグレイブガント盆地へと向かう。開戦していたらハイランドの味方も、ローランスの味方もできないとアリーシャに告げるスレイだが、導師として戦争を止めたいとも考えていた。スレイたちが盆地へと到着すると、その眼前に広がっていたのは穢れに満ちた戦場。ハイランド軍のランドン師団長の説得に向かうアリーシャに対し、スレイは「自分のやれることをやる」と告げる。
第13話(第1期 最終回)『災禍の顕主』
ついに始まってしまった、ハイランド王国とローランス帝国の戦争。アリーシャは、バルトロの企みにより、自国軍の兵士に刺されてしまう。一方、主戦場にいたスレイたちの前には、巨大な穢れの固まりが姿を現す。その固まりの正体こそ、災禍の顕主・ヘルダルフだった。穢れの中に真のヘルダルフの姿を見つけたスレイは、ヘルダルフに「浄化」を宣言。ヘルダルフが呼び集めた多数の憑魔に押されながらも、自分と仲間たちの力を信じて戦い続けていく。
第14話『穢れなき世界』
ロゼたち「セキレイの羽」の一行と共に新たな地、ローランスへと向かっていたスレイたち。道中でハーブの取り引きをした際、盗品を売りつけられそうになり、犯人から脅しをかけられるものの、難なく相手を返り討ちにするロゼ。スレイは商人としての仕事をきっちりとこなすロゼに感心しつつ、夜になると穢れのありようを自分なりに認識し、受け止めることができるようになるためライラたちと鍛錬を続けていた。穢れの塊であり、強大な力を持つ「災禍の顕主」に立ち向かう力を得るために――。そしてスレイたちは商業都市ラストンベルに辿り着き、そこで“語り部”メーヴィンと出会う。
第15話『風の天族デゼル』
ラストンベルの街で、隠し財産を蓄え、口封じに人々を殺めていた司教を暗殺した、ロゼ率いる暗殺ギルド「風の骨」。スレイがロゼの態度に違和感を覚えながらも彼女と朝食を共にしていると、そこに昨晩スレイを訪ね、なりゆきから酔いつぶれてしまったローランス帝国白皇騎士団・団長のセルゲイが失態の詫びに現れる。そんな中、街の聖堂近くで爆発が発生し、地面が陥没するという事件が起こる。聖堂へ向かったスレイたちは、その陥没の原因が穢れだと確信し、浄化をするべく内部へと向かっていく。
第16話『それぞれの哲学』
商売仲間だったグレンが、司教等の手に掛かり、もうこの世にはいないと悟り、怒りを覚えたロゼ。その思いに応えるように、天族のデゼルはラストンベルの街にある聖堂を破壊しようとする。ライラたちがデゼルを止めにいく一方、スレイはロゼの元へと向かう。姿は見えないが、聖堂近くで巻き起こる事象をデゼルが引き起こしていると知ったロゼは、強い口調で制止、その声に応え、デゼルはそれに従った。スレイに「どうして聖堂を壊そうとしたのか」と問われたデゼルは、自身の過去、そしてロゼとの出会いを語り始める。
第17話『復讐』
かつて「風の傭兵団」の仲間たちと、育ての親であるブラドを死に追いやったローランスの皇子・コナン。その居場所を突き止めたとの報告を受けたロゼは、コナン皇子に復讐するために旅立つ準備を始める。セルゲイより雨が降り続いたままだと聞き、その理由を探るため、ローランスの首都・ペンドラゴへ向かうと決めたスレイ。デゼルを気に掛ける中、ロゼにペンドラゴへの同行を申し出るもそっけなく断られてしまう。自身がペンドラゴへと向かう中、ミクリオにロゼと彼女に同行するデゼルを追うように頼む。ミクリオはそれを快諾し、エドナと共にロゼの旅の様子をうかがうのだった。
第18話『届かない理想より目の前の正義』
ようやく復讐の相手であるコナン皇子を見つけ出したロゼだが、コナンはすでに憑魔と化していた。ロゼの攻撃をものともせず、人間離れした力でロゼに襲いかかるコナン。二人の戦いにデゼルが加勢すると、ロゼたちがいた塔が一気に崩れ落ちてしまう。スレイによって助けられたものの、コナンを見失ったことで「完全な決着」がつけられなかったとつぶやくロゼ。スレイはロゼが暗殺者であることを「嫌だ」と告げるが、ロゼは「世の中には殺されなきゃいけない奴がいっぱいいる」と語る。そんなロゼに、スレイは「穢れ」について説いていく。
第19話『商談』
白皇騎士団の誘導で、ローランス皇帝・ドランの屋敷を訪れることとなったスレイたち。ドランはスレイに対し、ローランス皇家に伝わる、世界の穢れと“災厄のはじまり”についての伝承を語り始める。さらにドランは、ハイランドのアリーシャが拘束されたらしいとスレイに伝える。驚くスレイだったが、穢れを一刻も早く止めたいからとペンドラゴへと向かうことを決意。一方、この世の災いの原因が穢れにあるとスレイから教えられたロゼは、穢れを見る方法をデゼルに問い、その後ある商談をスレイに持ちかける。
第20話『レディレイク』
ロゼと従士契約を結び、ペンドラゴにて、ドラゴンが死してなお残す膨大な穢れを協力して浄化したスレイ。その耳に、レディレイクにいるアリーシャの声が届いた。アリーシャは、レディレイクに現れた竜巻を鎮めるべく、スレイの力を借りたいと呼びかけたのだ。スレイとの交信は途絶えてしまったが、アリーシャは民の救助を第一に、竜巻の進行方向であるシトレへと向かう。無事シトレに到着したアリーシャたちだったが、そこでも憑魔が襲い掛かる。次第に追い込まれる中、泥のような憑魔に飲み込まれそうになった時、天族ザビーダが現れるのだった。
第21話『浄化』
師であるマルトランがバルトロに囚われ、磔にされたとの知らせを受けたアリーシャは、部下を引き連れてレディレイクの街へと侵入する。「誰も死ぬことは許さない」という強い決意を持って、街を疾走するアリーシャ。バルトロの兵に行く手を阻まれても、ひるむことなく進んでいく。一方、レディレイクの方角へと向かう竜巻を追っていたスレイだったが、竜巻は速度を上げ、追いつくことができずにいた。そしてその頃、磔にされたマルトランは声をかけてきたルナールに、「アリーシャはここには来ない」と微笑みながら告げる。
第22話『いつか夢見た世界』
レディレイクへと向かっていた竜巻の中に存在したドラゴンを、仲間たちの力を借りて浄化したスレイ。スレイが受けた穢れの一部を引き受け、そのダメージから長く眠ったままだったアリーシャとロゼも無事に目覚め、この先もスレイの従士として穢れを受けることを決意する。一方その頃、デゼルはサイモンとの戦いを繰り広げていた。サイモンは主である災禍の顕主はもう止められないと語り、世界が終わるとスレイに告げる。サイモンから災禍の顕主の幻影を見せられたスレイは、その圧倒的な力に衝撃を受けても尚、災禍の顕主がいる北の地を目指す決意をする。
第23話『北の大地』
災禍の顕主がいるという北を目指すスレイ一行。アリーシャとロゼは、従士としてスレイを支えたいとの思いから、それぞれエドナ、デゼルと共に神依化の練習を続けていた。一方のスレイは、ライラから渡されたもう1冊の「天遺見聞録」を読み進め、北に関する記述を見つける。北の地には世界を構築する力の源泉があり、そこから地脈を通じて世界がつながっているというのだ。しかし、北の地は穢れをまき散らすのに効果的とは言えない。災禍の顕主がなぜそこへ向かったのか、スレイはその考えを読み解こうとする。しかし、目指す北の地から溢れ出した穢れがスレイたちを襲う。
第24話『風になる』
数多くのドラゴンや穢れに道を阻まれながらも、災禍の顕主の元へと辿り着いたスレイたち。しかし、災禍の顕主は世界の中心へ行くとだけ言い残して、スレイたちの前から姿を消してしまう。災禍の顕主を追って北の果ての街・メイルシオにやってきたスレイたちは、そこでノルミン天族のグリモワールに出会う。その街で、スレイは穢れの発祥、そして天族と災禍の顕主について考えることになる。一時の休息後、ここまで同行してくれた仲間たちと別れ、スレイはアリーシャ、ロゼ、そして5人の天族と最後の戦いへと向かっていく。
第25話『導き出した答え』
災禍の顕主を追う途中、ドラゴンの大群に行く手を阻まれたスレイたちに道を作ったのはデゼルだった。デゼルが自らの命を賭してドラゴンたちを蹴散らしたのだ。デゼルの死を無駄にしないために、前に進んでいくスレイは、洞窟内で大量の穢れの流れを目の当たりにし、洞窟の底に災禍の顕主がいることを確信する。一方その頃災禍の顕主は、地下の大空洞で五大神のひとりであるマオテラスと対峙していた。
第26話(第2期 最終回)『伝承』
スレイと災禍の顕主・ヘルダルフとの、最後の戦いが始まった。ヘルダルフの圧倒的な力を感じたスレイは、ミクリオ、ライラ、エドナ、ザビーダの力をまとい、災禍の顕主に挑もうとする。そんなスレイに対し、ヘルダルフは異形の姿へと変貌していく。アリーシャとロゼが協力して穢れに立ち向かい、スレイは地水火風の力を一つに集め、ヘルダルフに全力をぶつける。そして戦いは終わったかに思われたが……。