第1話『銀河美少年』
日本南方に浮かぶ島・南十字島。この島に住む少女、アゲマキ・ワコとその許婚であるシンドウ・スガタは、ある夜海辺に一人の少年が流れ着いているのを発見する。少年の名はツナシ・タクト。「すごい事、やりにきた」と言うその少年は、島の学校『南十字学園高等部』に入学するため、なんと本土より身一つで泳いで来たという。青い空と青い海を背景に、持ち前の快活な性格で順調に学園生活一日目をスタートさせるタクト。だがその夜、怪しげな仮面をつけた何者かたちがワコを襲撃。それを助けようとしたタクト共々、島の地下遺跡へと連れ去っていってしまう。
第2話『綺羅星十字団の挑戦』
『綺羅星十字団』との接触から翌日。タクトはスガタの紹介で、演劇部『夜間飛行』の元を訪れる。その頃、南十字島の地下では綺羅星十字団の総会が開かれていた。現在リーダー不在状態である彼らは、実質的に組織をまとめているヘッドの提案により、銀河美少年・タクトの操るタウバーンを倒した者が、旅立ちの日まで組織のリーダーとする事を決める。そして早速、綺羅星十字団の一隊『フィラメント』が動き出した。
第3話『おとな銀行』
今月の生活費に困っていたタクトは、高校生でありながら世界的な大富豪の妻であるワタナベ・カナコの計らいにより、彼女の豪華客船でアルバイトをすることになる。そこで急遽、タクトは彼女の部下であるタカシと剣術試合を行う事に。その日の夕方、綺羅星十字団の総会では第4隊『おとな銀行』の代表である頭取が、サイバディの所有権が自分達にある事を主張していた。所有権をはっきりさせるため、タクトにおとな銀行のメンバー、バンカーを差し向ける頭取。バンカーの操るサイバディ・ツァディクトはスターソードと呼ばれる光の剣を有していた。
第4話『ワコの歌声』
ある朝、ワコが目覚めると周囲には誰もいなかった。不思議に思いつつも海岸までやって来たワコは、そこでタクトの姿を見つける。歩けども歩けども他の誰もいない、タクトとワコの二人だけの世界。程なくタクトは「本土に行ってみる?」とワコに言うが、その言葉にワコは哀しそうに黙り込んでしまう。やがてワコは、彼女がこの島から出られない理由をタクトに話し始めた。
第5話『マンドラゴラの花言葉』
南十字島にて原因不明の小地震が続発する。同じ頃南十字学園では、ヒナという謎の美少女が出現していた。瞬く間に学園中の男子生徒達の心を虜にしたその少女の身体からは、常に不思議な香りが放たれていた。やがて『夜間飛行』の面々は、ヒナの思わぬ正体と地震との関連性を知る。ヒナの動きを止めるため、タクトはあえて彼女に近づくが……。
第6話『王の柱』
懐中時計が壊れてしまったタクト。そんなタクトのためワコはスガタも誘い街へ繰り出そうとするが、いつもと違いスガタはワコに突き放すような態度を取る。実はその日はスガタの誕生日。街でのデートの傍ら、ワコはタクトにスガタが自分の誕生日を嫌っている事を話す。それはスガタの家に代々伝わる、王のシルシを受け継ぐ者の宿命が原因であった。
第7話『遠い世界』
スガタが王のサイバディ・ザメクとアポリポワゼした翌日。昏睡状態に陥ったスガタを心配して、ワコは学校も休み朝から禊で祈りを捧げ、タクトはそんな二人に対し、何もしてやれないもどかしさと孤独を感じていた。一方、“王の柱”の出現は綺羅星十字団の面々にも大きな衝撃を与えていた。イブローニュは、自分の部下のオンディーヌに戦いを命じる。
第8話『いつだって流星のように』
スガタが目覚めた翌日。学校の風景はいつもどおりのものに戻ったが、タクト、ワコ、スガタの3人を取り巻く空気はどこかぎこちないものとなっていた。一方、その日の夕方開かれた綺羅星十字団の総会では、ザメクのスタードライバー誕生による重苦しい空気の中、一人余裕の態度を見せるスカーレットキスの姿があった。昨晩スガタへキスする事に成功していた彼女は、自らの第一フューズの力でスガタを自分のものにし、操る事を目論んでいた。
第9話『そんなミズノの初恋』
ある朝、タクトは学校でヨウ・ミズノという一人の少女と出会う。“魔女っ子ミズノ”とも呼ばれるその娘は、鳥と話したり他人に魔法の呪文を教えたりと、学園きっての不思議ちゃんであった。一方綺羅星十字団では、なんとヘッドが休養と称して一時隊より離脱する事になった。代わりに第2隊を率いる事になったのは、マンティコールという少女。実は彼女は、現在ザメクに握り潰された状態のサイバディ・アインゴットのスタードライバー。プロフェッサー・グリーン曰く、壊れたサイバディの復元がついに可能となったのだという。それは今所在不明である残りの四方の巫女の行方が探せるようになった事も意味していた。
第10話『そしてマリノの初恋』
南十字学園高等部で球技大会が開かれる。野球トーナメント戦に参加したタクトたち1組は、ミズノたちがいる2組と対戦。その試合でタクトはミズノの双子の姉・マリノと出会う。持ち前の明るさでいつものようにマリノにも親しげに話しかけるタクト。その様子を2組の生徒のタケオが敵意の目で見つめていた。やがて試合は終了、その際タクトはミズノより“大丈夫の呪文”というものを教えてもらう。
第11話『サイバディの私的活用術』
ある夜行われた綺羅星十字団の総会で、シモーヌは思わぬ噂を耳にする。なんとカナコがサイバディを私的に利用しているというのだ。献身的に仕えながらも、常にカナコに複雑な思いを抱いているシモーヌ。それは自分の生い立ちと深い関係があった。カナコを追い落とすため、シモーヌは自らのサイバディ・ダレトスをタカシに差し出しタクトと対決する。
第12話『ガラス越しのキス』
シモーヌの敗北により追い詰められた状況に陥った綺羅星十字団第4隊・おとな銀行。その代表である頭取・カナコは遂に自らの手でタクトを倒す事を決意する。自分が本気で戦えばタクトを殺してしまう、しかし新しい世界のためにはそれも止むを得ない――数日の逡巡の後、サイバディ・べトレーダに搭乗するカナコ。
第13話『恋する紅い剣』
ある日曜日の朝、スガタの家に突然ベニオが現れ、スガタに剣術の稽古を申し込んだ。学園きっての剣の腕前の持ち主であるベニオ。そんな彼女にスガタは自分の代わりとしてタクトを相手に薦めるが、ベニオの不思議な動きの前にタクトは結局試合に負けてしまう。スガタに執着するベニオ。その理由は、幼い頃彼に抱いた恋心とそれを諦めざるを得ない自らの環境にあった。
第14話『アインゴットの眼』
サイバディの復元が可能になった綺羅星十字団。早速日死の巫女を探すため、サイバディ・アインゴットの復元が行われる。その頃演劇部『夜間飛行』では、次の公演で行う演目において、タクトとミズノのキスシーンが発表された。嬉しそうな表情でそれを報告するミズノに対し、自身もタクトに想いを寄せる双子の姉・マリノは複雑な思いを抱く。
第15話『封印の巫女』
ミズノとマリノの母、フジノが南十字島に戻ってきた。自分達を置いて男を追いかけていった母の突然の帰郷に、複雑に心乱すミズノとマリノ。そんな中、ふとしたはずみでミズノは、タクトが実はワコのことが好きな事を知る。連続のショックで、思いがけずマリノに心無い言葉を投げつけてしまったミズノは、母親が島にいる間自分は本土にいようと決意する。
第16話『タクトのシルシ』
家出を止めて家に戻ってきたミズノは、マリノの姿が見えない事に気づく。ミズノは家で待ち続けるが、結局夜になってもマリノは帰ってこなかった。翌日、化学実験室でケイトと出会ったミズノは、そのまま綺羅星十字団の地下遺跡へ連れ去られてしまう。巫女のサイバディ・メムナに乗せられ、ヘッドのサイバディ・レシュバルに貫かれてしまうミズノ。ついに世界が第3フェーズへと突入した。
第17話『バニシングエージ』
海水浴にやって来たタクトやワコたちは、そこでケイ・マドカとアタリ・コウという、どこか一風変わった二人の少女達と出会う。一方、その日の夕方行われた綺羅星十字団の総会では、なんとヘッドがすべての電気柩を破壊し、バニシングエージらの面々やタカシら胸にシルシを持つ者たちとクーデターを起こしていた。
第18話『ケイトの朝と夜』
夏休み最後の夜、南十字学園高等部学生寮で催されたバーベキューパーティーで部屋を全焼させられてしまったタクト。一時スガタの家に居候する事になるが、そこでタクトは、ワコと一緒に歌う幼い頃のケイトの写真を見つける。翌日、生活費を稼ぐため入ったバイト先で、タクトはケイトの思わぬ姿を見ることに。
第19話『三人の日曜日』
ワコの誕生日がやってきた。彼女を祝うため、タクトとスガタはカレーを作ったり街に繰り出したりと、久しぶりに三人で楽しい時間を過ごす。だが、ケイトのカラオケ店に行ったところで、彼らに異変が。マドカとコウが、第一フェーズの力を使い、タクトとスガタに乗り移ったのだ。
第20話『描かれたあの日の虹』
南十字島の空に虹がかかったある日の事。カタシロは昔を思い出していた。それはヘッドがまだ“トキオ”と名乗り、島にはまだ自分の婚約者・ソラがいた時の事。トキオが描く絵に魅せられたカタシロは、ソラと共に彼と親しくなるが、3人の関係はすぐに壊れ始めていった。
第21話『リビドーなお年頃』
綺羅星十字団・科学ギルドにおいてオーバーフェーズ・システムという新たな装置が完成する。それは、サイバディの状態を人為的に第3フェーズ以上のものに進める事ができるという画期的なものであった。
第22話『神話前夜』
南十字学園祭にて、「夜間飛行」による演劇『神話前夜』が上演された。普通の人々には姿が見えないという不思議な少女・クレイス(ワコ)に恋をした少年・マルク(タクト)。そんな彼に対し、サリナ扮する“エントロピープル”は、かつてクレイスに恋をしたもう一人の青年・コルムナ(スガタ)の話を聞かせる。当初、純粋にクレイスを想うコルムナであったが、彼女に触れたいがために、魔女アインの策略に乗って一隻の船を動かそうとした所から運命の歯車が狂っていく。
第23話『エンペラー』
ある日曜日の朝、スガタの様子はどことなく妙であった。朝の練習で突然ワコを賭けてタクトと試合をしたり、タクトの目の前でワコをデートに誘い、彼女にキスを迫ったり……。その頃、ヘッドに不信感を抱くスティックスター、キャメルスター、ソードスターの三人は、一刻も早くタクトを倒そうと、それぞれ協力して動く事を決意する。己の命を賭けて復元したサイバディを駆り、一斉にタクトへ襲い掛かるスティックスターたち。
第24話『ひが日死の巫女』
理事長室にて長い眠りについていた少年・シンゴがついに目を覚ました。約束どおり自らのシルシをレイジに渡すシンゴ。その夜、ひが日死神社跡地にてケイトは密かにスガタと出会う。四方の巫女でありながら綺羅星十字団へ加盟した理由をスガタに話すケイト。
第25話(最終回)『僕たちのアプリボワゼ』
ついにひが日死の巫女の封印が解かれ、キング・ザメクが復活した。ケイトはその力でヘッドの野望を打ち砕く事を目論むが、ヘッドはサイバディ・シンパシーの力を使い、なんとスガタごとキング・ザメクを乗っ取る事に成功する。スガタを救出すべく、タウバーンを駆りヘッドに立ち向かうタクト。