第1話『ビーフシチュー/モーニング』
【ビーフシチュー】「赤の女王」。世界6柱の1柱とも呼ばれる伝説の竜でもある彼女が持つ、数多くの財宝の中でも、一際大事にしているものがあった。それはどんな金銀宝物でもなく、週に一度現れる扉の中に存在していた…。【モーニング】ひょんなことから異世界食堂に迷い込んだアレッタは、あまりの空腹から夢だと思い、仕込み中のスープを飲み干し、その場で寝てしまう。事情を店主に話していると、思いがけのない提案があり…?
第2話『メンチカツ/エビフライ』
【メンチカツ】「今日はドヨウの日、廃坑に行く」。曾祖父の日記に何度もあった記述を頼りに訪ずれた廃坑の奥で、トレジャーハンターのサラは謎の扉を見つける。意を決して開けた扉の向こうには、見たこともない“料理屋”があった。【エビフライ】救援を呼ぶため、魔物に急襲された砦から飛び出したハインリヒだったが、毒にやられた馬も途中で倒れ、自身も道半ばにして倒れようとしていた。最後の力を振り絞り神に祈ったその瞬間、猫の看板がかかった謎の扉が現れた。
第3話『ミートソース/チョコレートパフェ』
【ミートソース】異世界の商人トマス。彼は様々なパスタソースを発明し、『料理発明の天才』と称えられていた。しかし彼には秘密があった。トマスは孫のシリウスを連れ、とある場所へと向かう。 【チョコレートパフェ】帝国の皇女アーデルハイドは雲を食べたことがある。病にかかり祖父の離宮で療養するアーデルハイド。華やかな宮廷とは対極な静かで憂鬱な暮らしに嘆く彼女は、ある日寝室に現れた猫の絵が描かれた扉に気がつく。
第4話『オムライス/トーフステーキ』
【オムライス】青尻尾一族には、一族の勇者が七日に一度突然現れる扉を通って、異世界の料理を持ち帰ってくるという風習がある。勇者ガガンポは、その大事な役目のために準備をしていた、そしてついに扉の向こうにある異世界へ向かう時がやってきた…。【トーフステーキ】森の中で見つけた扉から異世界食堂にやってきたファルダニア。エルフの彼女にとって、人間の料理は食べられないものばかり。とはいえ店に入った以上何か食べないと失礼にあたる…そう思ったファルダニアが頼んだこととは?
第5話『カツ丼/プリンアラモード』
【カツ丼】これはかつて異世界食堂を先代店主が切り盛りしていたころの話。剣神アレクサンデルに敗北した魔族のライオネルは闘技場でただ死の運命が訪れるのを待っていた。だが、ある扉を見つけたとき、彼の運命が大きく変わる…。【プリンアラモード】公国の姫ヴィクトリアはハーフエルフである。天才魔術師である彼女は日々魔術の研究に没頭しているが、たまに研究を休むときがある。具体的に七日に一度ほど、異世界食堂を訪れる日くらいは…。
第6話『サンドイッチ/じゃがバター』
【サンドイッチ】サラとハインリヒの、メンチカツサンドとエビカツサンド論争の声が響くねこや。そこへ、各々に好物を食べていた他の常連客がこぞって参戦し、遂には、どのサンドイッチが一番美味しいか論争が始まってしまう。【じゃがバター】最後の客、赤の女王が帰り、静かになったねこや。一息ついたところで、開店前の約束通り、店主がアレッタにダンシャクの実を使った簡単な料理を教え始める。ダンシャクの実に対するアレッタの印象を変えることができるのか。
第7話『カレーライス/チキンカレー』
【カレーライス】海戦で行方不明となった伝説の将軍アルフォンス・フリューゲル。ただ一人絶海の孤島に流れ着きおよそ20年、遂に島を離れる日がやって来た。しかし助かったはずの彼の表情はなぜか物惜しげであった。【チキンカレー】この空の果てに浮かぶ大地…月。赤の女王と同じく6柱の一人であり死を司る黒は、生き物がいないこの地で孤独と静寂に包まれていた。そんな黒の前に魔法の力がこもった扉が現れていた。
第8話『ハンバーグ/クッキーアソート』
【ハンバーグ】溺れていたところを人魚のアルテに助けられた青年ロウケイ。その礼として銀貨10枚を要求されたロウケイは彼女がいったい何のために銀貨を欲しがったのか気になってしまう。その理由をアルテに問うと、、ある場所で使うと言われて…?【クッキーアソート】ようやく王都で新しい仕事を紹介してもらったアレッタ。その仕事先とは、なんとメンチカツことトレジャーハンターのサラの家だった。サラの家で働き始めるアレッタ。ある日、サラが不在の中、サラの妹であるシアが訪ねてきた…。
第9話『シーフードフライ/クリームソーダ』
【シーフードフライ】ドワーフのギレムは、同じくドワーフの友人ガルドに誘われ、「旨い酒と魚を出す店」に向かうために山を登っていた。魚といえば海、対して山に向かうガルドに憤っていたギレムだが、何もなかったはず小屋に扉が現れ…?【クリームソーダ】砂の国の王家の兄妹、シャーリーフとラナー。彼らもまた、異世界の洋食屋に虜だった。年中日照りが激しい砂の国の彼らからすると、冷たい食事はそれだけで魅力的なモノであったが、シャーリーフにとってはもう一つ夢中なことがあるらしく…?
第10話『クレープ/納豆スパ』
【クレープ】フェアリーが住む花の国に、ある日突然不思議な扉が現れた。国の女王ティアナは、数名のフェアリーたちを率いて、扉の中に侵入することにする。扉をくぐったその先には、これまで見たことのない光景が広がっていた…。【納豆スパ】父の紹介で、料理の研究をしているというクリスティアンのもとを訪れたファルダニア。そこで彼女は、なんとクリスティアンも異世界食堂の虜だと知る。一緒に食堂を訪れた二人は、クリスティアンが大好きな納豆スパを食べることに。美食家のクリスティアンの好物である納豆スパを食べたファルダニアの感想は…?
第11話『カルパッチョ/カレーパン』
【カルパッチョ】セイレーンの少女イリスと少年アーリウスは巣立ちの時期を迎えていた。イリスが巣立ちの場所に提案してきたのは、何十年も前に強力な魔物キマイラをたった一人で倒して島を支配した恐るべき人間の住む島。下見だけと二人が向かう先はキマイラ殺しの島。数ヶ月前に、かつての住人が去った無人島であった。【カレーパン】クロがねこやで働き始めて105日が過ぎた。いつものように赤の女王を見送くった後クロは店主がいつもと違う行動をとっているのに気がついた。なにやら袋の中から白くてザラザラしていそうな楕円形のものを取り出して・・・
第12話(最終回)『とん汁/コロッケ』
【とん汁】いつものようにねこやに出勤してきたアレッタ。だが、店内がいつもと違う匂いに包まれていることに気がつく。店主によると、その訳は月に一度しかない『肉の日』に出すとん汁の匂いだという…。【コロッケ】四英雄の一人、剣神アレクサンデルは、久々に同じく四英雄のアルトリウスのもとを訪れていた。なんでもアレクサンデルは、異世界食堂に行ってみたいらしい。ハーフエルフである彼の目的とはいったい何なのか?