第1話『運命の子』
ある嵐の夜、パルテビアの漁村・ティソン村の漁師バドルと、 その妻エスラとの間にひとつの命が誕生した。その名はシンドバッド。 この世に生を受けた瞬間、遠く離れた地のルフを共鳴させるほどの力をもった彼は、 やがてその特別な力を発揮していくこととなる。 時は経ち5歳になったある日、シンドバッドは家の近くで行き倒れていた、 ダライアスという名の流れの商人の命を救う。 物知りで話し上手なダライアスの夢物語のような話に心躍らせるシンドバッドだったが――。 若き“七海の覇王”の冒険譚が、ここに始まる――!
第2話『船乗りシンドバッド』
時は経ち、シンドバッドは14歳となっていた。 ある日、港町コンタスティアでシンドバッドは不思議な旅人・ユナンと出会う。宿に困っていたユナンをティソン村に招いたシンドバッドだったが、そこにパルテビア帝国軍西方辺境部隊小隊長のドラグルが、シンドバッドを軍に招集するために訪れる。 その頃、パルテビア、レームの両帝国は、“ダンジョン”と呼ばれる謎の建造物の攻略に躍起になっていた。秘められし力をもって、敵国との戦いに終止符を打たんとするがためである。しかし“ダンジョン”にはこれまで一万人以上が挑んだが、誰一人帰ってきた者はいないという……。
第3話『迷宮バアル』
第1迷宮バアル。竜のような異形の怪物たちが巣食うダンジョンに、ドラグルとともに突入したパルテビア軍の兵たちは次々に命を落としていく。 ドラグルにも危機が迫ったその刹那、目の前に現れたのはシンドバッドだった。 次々に襲い来る試練のなか、彼らは運命に導かれるようにダンジョンの最深部・宝物庫へと歩みを進めていく。王の力を手に入れ、それぞれの使命を果たすために。
第4話『ひとつめの海』
ドラコーンとの果たし合いを制したシンドバッドは、憤怒と英傑のジン・バアルの力を手に入れる。 その後、母の死を乗り越え大海原へと乗り出したシンドバッドが辿り着いたのは、氷に覆われた極北の秘境・イムチャック。族長の息子ヒナホホとの出会いが、シンドバッドを新たなる冒険へと誘うのだった。 一方、敗れて国へと戻ったドラコーンは、パルテビアが誇る隠密部隊「シャム=ラシュ」とともに、再びシンドバッド追討の任に就くこととなる。
第5話『王の資質』
シンドバッドに触発されたヒナホホは、本当の戦士になるため、「王の力」を求めひとり第六迷宮ブァレフォールへ挑む。 しかし、深部へと歩みを進める彼の前に、強力な迷宮生物や、シンドバッド追討にあたっていたドラコーン、ジャーファルら一行が立ちはだかる。 奮戦するも追い詰められた彼の窮地を救ったのは、やはりシンドバッドであった。 それぞれの思惑が交錯するなか、最深部へと辿り着いた彼らを待っていたのは、ブァレフォールの意外な試練だった。
第6話『居場所』
世界を変える国を作る――。 壮大な夢を語るシンドバッドに、敵対していた他の者達も心動かされていたが、その矢先、ジャーファル、ヴィッテル、マハドに異変が起こる。魔導士・ファーランの計略により、体内に仕込まれていた闇の魔法が黒いルフを呼び起こし、彼らを一匹の巨大な魔獣と化してしまったのだ。 襲いかかる魔獣に立ち向かうシンドバッド。しかし、倒すのではなく、中に取り込まれたジャーファルたちを助け出そうとする彼の姿に、心揺さぶられたドラコーンとヒナホホも共闘する。
第7話『商人シンドバッド』
第六迷宮・ブァレフォールを攻略し新たな王の力を手に入れたシンドバッドは、イムチャック族首長・ラメトトとの謁見により、イムチャックとの独占貿易権を認めてもらう。初の商船交易に出港したシンドバッド一行は、レーム帝国の最大の経済中心地である港湾都市・ナーポリアに到着する。早速派手な露店を開いて商売をはじめるシンドバッドたちだったが、レーム帝国には「商会」という仕組みが存在していて……。
第8話『眷属器』
ひとりナーポリアに残ったシンドバッドは、自らの冒険譚を基にした「語り部」によってバルバッド国王・ラシッドに認められ、商会を立ち上げるための金貨を与えられた。ついにレームの商会への加盟を果たし胸躍らせるシンドバッドだったが、商人として成功するためには知名度と金は必要不可欠であるとして、ラシッド王に薦められ、劇場公演を行うことを決める。一方その頃、レームへと戻る船上のジャーファルはちょっとした災難に遭っていた……。
第9話『清浄の地ササン』
ついに自らの商会、シンドリア商会を立ち上げたシンドバッド。ヴィッテル、マハドの2人に商会を任せ、ジャーファルらと向かったのは、「清浄の地」と称される旧き神を信仰する騎士たちの国、ササン王国。早速ササンとの交易を開拓しようとするシンドバッドだったが、そのためには、ササンを守護する騎士王、ダリオス・レオクセスに同志として認められねばならないという。行き詰まるシンドバッドたちだったが、そこに外の世界に憧れる青年、ミストラスが現れて……。
第10話『世界を変える力』
外の世界へ出たい――。その一心で、父である騎士王・ダリオスとの決闘に奮戦するミストラスだったが、ジンの力を有するダリオスの一撃についに屈してしまう。敗れた息子、ミストラスにとどめを刺そうとするダリオス。しかし、そこに待ったをかけたのがシンドバッドだった。シンドバッドは同じ攻略者であるダリオスに対し、ササンとの交易、そしてミストラスを賭けた勝負を持ちかける。攻略者同士の戦いは激しさを極めるかに見えたが、シンドバッドにはある秘策があった。
第11話『天空都市アルテミュラ』
ササン王国と同盟を結び、旅の仲間にミストラスを加えたシンドバッドたちは、気高い戦姫が治める女系民族国家、天空都市アルテミュラ王国へと向かう。暗黒大陸を除けば世界最大とも言われる過酷な渓谷を乗り越え、ボロボロになりながらも辿り着いた彼らを王宮で待っていたのは女王ミラ・ディアノス・アルテミーナだった。さっそく同盟を結ぼうと交渉を仕掛けるシンドバッドだったが…。
第12話『魔装vs魔装』
アルテミュラ女王・ミラの逆鱗に触れ、深き「死者の谷」へと落とされてしまったシンドバッド、ジャーファル、ミストラス。脱出不可能な状況に絶望していた彼らだったが、そこに棲んでいたヘビを食し、火を起こし、草木を集めて雨風をしのぐ家をつくり…いつの間にかこの極限状態に順応しているのだった。そんなある日、ミストラスが谷底で巨大な肉の塊を発見して…?
第13話(最終回)『マギ』
魔装ケルベロスと化したミラを魔装ブァレフォールの『停滞』の力で打ち破ったシンドバッドは、ふたたびミラと王宮で謁見し、ついにアルテミュラ王国との交易を勝ち取る。争いのない、認め合う世界を作るために自分は各国と盟約を結ぶ旅をしていると語るシンドバッドに、ミラは創世の魔法使い『マギ』についての話をはじめる…。