第1話『もやしども起つ』
農大1年生、沢木惣右衛門直保は菌が見える特殊な能力をもっている。収穫の季節を迎え、沢木は同級生の及川葉月、先輩の美里薫、川浜拓馬、ミス農大の武藤葵、そして院生の長谷川遥とともに樹ゼミの発酵蔵を運営することになった。同じく1年の結城蛍は大学を休学し日吉酒店を手伝い始めるが、沢木たちと共に発酵蔵で念願の酒造りに参加することに。樹教授の指導の下、初めての味噌作り、酒造りに没頭する樹ゼミメンバー。そんな中、及川が発酵蔵に不思議な穴があることに気づく。
第2話『発酵蔵』
発酵蔵の穴に気づいた及川は、もしかしたら自分だけ知らされていないことがあるのでは?と沢木を問いつめる。菌が見える能力を及川にだけは隠しているため、後ろめたさに焦る沢木。2人は穴の秘密を探るうちに、そこに樹教授の隠し事があるのではと考え始める。そんな時、泊まり込みで発酵蔵の作業を続ける及川と武藤が自治寮の風呂を借りることになり、色めき立つ寮生たち。沢木、美里、川浜がガードする中、寮生たちの覗き見作戦が決行されたとき、新たな事実が明らかになる。
第3話『チーム及川』
穴の秘密を探ろうとしているのは自分だけだと思っていた及川は、美里、川浜も賛同してくれたことに心を打たれ、仲間としての思いを強くする。一方、長谷川は大学を辞めて結婚するようにと父親から説得され、ひとり思い悩んでいた。改装工事が終わり、蛍の理想を形にした日吉酒店が新装開店する。店を仕切る蛍に触発された及川は、発酵蔵に戻り、長谷川に自分の考えをぶつける。「食の研究者が最も望む研究」とは何なのか。及川たちは、穴の秘密に決着を付けようとチームで行動を開始する。
第4話『変化の秋』
発酵蔵の穴の真相を知り、予想外の展開に意気消沈する及川。その姿を見た沢木は、隠し事をしてきたことを心苦しく思い、自分の特殊な能力を告白する。真実を知った彼女の反応は…… 。長谷川の酒癖が露呈して以降、美里、川浜と長谷川の間に不自然な壁を感じている沢木は、3人をつなぐきっかけを探していた。そんなある日、長谷川の父が大学に現れ、武藤に封筒と白衣を手渡す。それは長谷川の退学届だった。
第5話『収穫祭』
長谷川の退学届にショックをうける武藤と及川。しかし、なんとかする、という樹の言葉を信じ、沢木と美里、川浜には打ち明けていなかった。収穫祭を目前にし、発酵蔵も大忙し。長谷川も姿を見せず、美里と川浜もほとんど連絡がとれなくなり困惑する沢木と及川。久しぶりに姿を現した美里と川浜は、自作の酒プルケをミス農大・武藤を看板にした店「葵'sバー」で販売する計画を打ち明ける。
第6話『チームワーク』
収穫祭が始まり、アイドル田中恭子ショーやたくさんの出店で盛り上がる農大。「葵'sバー」も大盛況。しかし美里と川浜がまたしても姿を消し、残された沢木、武藤、及川は大混乱となる。亜矢の手助けでピンチを切り抜けるが、いつも自分たちを仕切ってくれる長谷川の存在の大きさを実感する沢木たち。そして、長谷川がいない本当の理由を知らされた樹ゼミメンバーは…… 。
第7話『かごの鳥』
収穫祭最終日。長谷川のために使ってくれと、秘密のオークションで手に入れた金を差し出す美里と川浜。誰もが長谷川を思い、行動していたことを知る樹ゼミのメンバー。しかし美里と川浜の学則違反のため、あてにしていた出店賞を逃してしまい、資金が足りなくなってしまう。そこへ樹が現れ、停学処分になった美里と川浜にワインとチーズを買ってきてほしいと告げる。長谷川が培養している酵母の声を聞き、自分たちが本当に長谷川を必要としていることを確信した沢木は、美里、川浜とともにフランスへと飛び立つ。
第8話『マリアージュ』
フランスにやってきた沢木たちは、ワインの銘醸地・ブルゴーニュの玄関口なら長谷川は必ず通るはずという勘だけを頼りにボーヌへと降り立つ。葡萄畑が連なる黄金丘陵で、長谷川を探す3人。そしてグラン=クリュ街道に入ったところで蛍にそっくりな少女マリーに出会う。日本語も堪能で白いゴスロリに身を包んだ彼女は、ワインの蔵元・ドメーヌの娘だった。マリーは、3人にベッドを提供する代わりに、自宅で行われる食事会の給仕をするよう提案する。
第9話『グラン=クリュ街道にて』
長谷川のためのパーティを沢木たちにめちゃくちゃにされ激怒する龍太。ドメーヌとしての誇りを忘れないマリーの発言に長谷川は詫びを言い退席する。その後、美里・川浜から今回の旅行の目的が結婚式であることを聞かされた長谷川は思わずワインを飲み干し、ホテルの部屋で龍太と対峙する…… 。翌朝、ワインに熱い思いを持ちながらもドメーヌを継ぐことを拒否しているマリーに、沢木は自分と似た境遇を感じ取りはじめていた。そして、間もなく自分の自由が奪われることを知った長谷川は、美里と川浜の前に現れ、「連れ出して!」と宣言する。
第10話『すれちがう思い』
長谷川を逃がすことに成功した美里と川浜。マリーの自宅に集合し、ブルゴーニュを代表するワイン、クロ=パラントゥで乾杯する。そんな中、ひとりだけ違うワインを飲むマリーの父の姿を見て、沢木はあることに気づいてしまう。真実を知り、カーヴで語り合う長谷川とマリー。ワイン蔵を手伝いたいのに父親に言い出せないマリーを見て、長谷川も龍太から逃げ続けてきたことに気づく。二人はそれぞれの胸の内を相手に打ち明けようと約束する。そんな折、沢木は菌たちに話しかけられ、ワイン蔵の異変を知らされる。
第11話(最終回)『ただいま』
龍太に自分の本当の思いを打ち明けた長谷川は、また大学に戻ることを約束し、沢木たちと笑顔で別れる。一方マリーも、沢木と菌たちのサポートで父親と対峙する。ようやく互いの気持ちを知る二人。翌朝マリーは、黄金丘陵で父にある提案をする。その後、日本に帰国した沢木たちは亜矢のバーで長谷川と再会する。彼らだけでなく、武藤も及川も、皆が自分を慕っていることを知る長谷川。しかし婚約が解消となり、自分がこの学校に居座る理由がなくなったのではと密かに思い悩んでいた。