第1話『右腕の傷』
墨村良守は、鳥森の地で妖を退治する墨村家第22代目当主予定の結界師。同じ家業を継ぐ雪村家の娘、2歳年上の時音は家同士の諍いもあり、格好のライバルだ。そんな中、良守は未熟さから時音を妖に傷つけられてしまう。以来、良守は誰かが傷つく事がないよう、強くなることを決意した。そして5年後、14歳になり…。
第2話『良守と時音』
烏森学園中等部に通う良守は墨村家第21代目当主の祖父である繁守、小説家で普段は主夫を務める穏和な父の修史、そして5歳年下で小学3年生の弟、利守と四人暮らし。夜は妖退治に明け暮れ、昼間は寝不足の良守だが、唯一の趣味である洋菓子作りに時間を割く。そんなある日、土蝦蟇が烏森に侵入して…。
第3話『美しき鬼使い』
雪村家に裏会からの使者、春日夜未が訪れた。今は亡き父、時雄の事を語る夜未に、時音は時雄が死んだ日の事を思い出す。それはとても辛い思い出だった。翌日、夜未に会った良守は、時音の父を話題にするのはやめて欲しいと頼むが、夜末はそんな良守の優しさを利用して、鬼のヨキを呼び、鳥森の乗っ取りを実行する。
第4話『彼女の大事なもの』
烏森の力で鬼のヨキを強化したいという願いに突き動かされた夜未は時音を邪魔者として殺そうとする。だが、囚われの身の良守が脱出して時音を助ける。烏森の力で進化したヨキは夜未との契約も破棄し、言う事も聞かなくなる。良守は暴走したヨキを大事に思う夜未の気持ちを察し、ヨキを滅せずに助けようと結界に封じるが…。
第5話『お菓子な人間霊』
夜未の事件で、兄である正守の消息が判る。正守は異能者の組織「裏会」に所属していた。いつか時音にお菓子の城を食べさせるという野望のため、ケーキ作りに勤しんでいた良守は、ある日、元パティシェの人間霊と知り合う。早く成仏してくれと願う反面、ケーキの知識を吸収できてちょっと嬉しい良守だったが…。
第6話『烏森の宵桜』
神田百合奈は良守のクラスメート。霊感があることを周囲に隠していたが、良守も霊力があると知り、内心怖がる。ある日、狂い桜が季節外れに開花。百合奈は友人と夜桜見物をすることになるが、少し早く到着した百合奈だけが学園に入る。良守と時音は百合奈に霊感があると知らず、眼の前で妖相手のバトルをしてしまい…。
第7話『最高のケーキ!』
良守の野望はお菓子の城作り。その唯一の理解者で協力者がパティシェの人間霊、真彦。だが、いずれ成仏しなければ危うい存在になってしまう。良守は迷える霊の相談所を開設しているマザーさんに相談する。真彦の勤めていたケーキ屋の主人から真彦がちくわで有名な食品会社の息子で弟がいる事を聞き出すが…。
第8話『良守な日々』
烏森学園に妖、氷渡が現れた。追う良守と時音。しかし、氷渡は、冷気を操り氷柱弾を放つ危険な妖怪だった。学園のプールに潜む氷渡。居場所が特定できず結界に包むことすら困難だ。良守は凍結したプール内を無闇に結界で包んで滅し、氷渡を怒らせプールからおびき出す。そして時音と連携して退治を試みるが…。
第9話『危険な高校教師』
霊感があることを秘密にしている百合奈は、以前助けてくれた良守が気になる様子。友人に焚きつけられ、霊感故の悩み相談をし、良守は気前よく応じる。一方、産休代理教師の三能が時音に急接近。夜の学園でその正体を明かす。三能はヘビのガーディアンを操る異能者で、能力で出現させたヘビに傀儡虫が取り憑いていた…。
第10話『式神チョコバトル』
お菓子作りよりも結界術の修行をしろと時音に叱られ、落ち込む良守に、父の修史は幻のチョコケーキを食べてごらんと勧める。だが、入手整理券は早朝に配布。良守は式神に代理をさせた。その夜、式神に力を使った良守は、バテ気味。辛くも妖を退治するが、式神を使ったことがバレ、時音に愛想を尽かされてしまい…。
第11話『鋼夜と斑尾』
斑尾が生きていた頃の仲間、鋼夜が姿を現した。鋼夜は人間に殺され、化け犬となっていた。同じく化け犬となった斑尾は、結界術の開祖・間時守を主とし、鋼夜と決別…。そして、再び仲間になれと斑尾を誘う鋼夜。首輪の封印を良守に解いてもらった斑尾は化け犬に変化し、鋼夜との死闘を開始するが…。
第12話『妖犬斑尾封印』
人間への憎しみで化け犬となった鋼夜と、開祖・間時守に従った斑尾。袂を分かった二頭の死闘。勝ったのは良守の力を借りた斑尾だった。だが、烏森の力は巨大化した斑尾を暴走させた。封印の珠を集めて念糸でつづり、良守は再封印を試みるが…。
第13話『夜行の頭領正守登場』
裏会に属する正守は夜未を配下に引き入れようと画策していた。その頃、良守は幼い頃の兄との確執を思い出す。間流正統継承者には方印があり良守にはそれがあるが、兄は優れた術者でありながら方印が出なかった。その夜、烏森に現れた妖、蠍鎌に苦戦する良守と時音。そこへ颯爽と現れた正守が見事退治して…。
第14話『正守のたくらみ』
正守は、良守の戦い方を批判し、正統継承者の自覚を持ち、もっと考えて動けと忠告する。一方で、烏森の力と、良守の実力をはかるため、烏森に妖を仕掛ける。その妖は増殖する森だった。無闇に滅しても滅ぼす事が出来ない妖相手に苦戦する良守と時音。良守は、木なら燃えるかもとバックドラフト作戦を思いつくが…。
第15話『良守の野望』
烏森で妖退治のためバックドラフトを起こした良守。間流結界術の正統継承者として考えて行動しろと忠告した兄、正守に対する意地もあっての冒険だ。だが、烏森を永遠に封印するという決意を打ち明けた良守に、正守はやってみろよと促す。一方、偵察の妖を狩った正守は、烏森を狙う者たちの調査のため裏会へ戻り…。
第16話『無色沼のウロ様』
間流修復術。烏森で起こる異変で壊れた場所や物を直す術だが、烏森以外での使用は厳禁。ある日、元烏森の土地神様のウロ様が、現在の棲み家の無色沼の寝床が壊れたので、結界師に修復を頼みに来た。神様なら、烏森の力について教わる事が出来るのではないかと期待した良守は、翌日繁守と一緒に無色沼に出発する…。
第17話『それは神の領域』
無色沼でウロ様が開いた黒い穴を通り、良守が辿り着いたのは、いくつも池が敷き詰められた不思議な場所。その中央に葉やツタで覆われた巨大な球体、ウロ様の寝床があった。良守が修復すると寝床が一回り膨らみ、ウロ様が入ると神の領域が完成する。良守は異分子として消されかけながらも烏森の謎を聞き出そうとするが…。
第18話『末っ子利守の日々』
利守はある日、クラスメートのガッチョとコンタに課題を手伝って欲しいと頼まれる。はじめは断っていたが、押し切られ、自宅に招く羽目に。墨村家は庭付きのお屋敷。しかも犬を飼っている。大喜びのガッチョとコンタは良守のウェルカムケーキを平らげると利守の制止を無視してお宅拝見とばかりに家中を駆け回り始めて…。
第19話『白き羽の襲撃者』
無色沼から帰還以降、烏森の謎に疑念を抱く良守。繁守に間流結界術とウロ様の寝床の結界の違いを問いかけるが答えは得られず、烏森の異変についてのみ注意を促される。一方、新たな敵が来襲。一人は監視者。もう一方は戦闘を担う三つ子の妖、白羽児。無数の羽と化して結界をも突き破る攻撃に時音と良守は苦戦する…。
第20話『不気味な監視者』
白羽児は無数の羽で攻撃、良守と時音を窮地に陥れる。白羽児が再生する時に力をためる事に気づいた良守は、そこを狙おうと提案。白羽児の首を滅し、好機を伺う。結界を破ろうと暴れる白羽児。時音の結界によるサポートにより、良守は白羽児に再度挑む。烏森と結界師のデータを収集した監視者は烏森から脱出して…。
第21話『非情な転校生志々尾限』
良守と時音は、人間に化けた妖が白昼の烏森学園に乗り込んで来る可能性を考え、高等部英語科教師で異能者の三能に注意を促す。その三能が中等部の生徒に襲われた。犯人は良守の隣のクラスの転校生、志々尾限。超人的な力で良守の式神鳥を捕らえた志々尾は、良守に攻撃を仕掛け、難なく結界を切り裂く…。
第22話『裏会からの使者』
裏会からの書状を手に、志々尾は雪村家と墨村家を訪れた。だが、帰宅した繁守から裏会が出てきた事を快く思っていないと告げられ、正守の真意を測りかねる。一方、良守も兄と繋がる志々尾に反発するが、烏森の妖退治でも後れを取ってしまう。同じ頃、異界を統べる姫に仕える妖、百は烏森を攻略すべく動き出す…。
第23話『狙われた正統継承者』
結界師補佐役として派遣された志々尾は、良守たちの実力を認めていなかった。そんな時、烏森学園に大首車が現れ志々尾も苦戦、傷ついてしまう。だが、『妖混じり』の志々尾は驚異的な回復を見せる。一方、良守は志々尾の動きも読み込み、大首車を一瞬で結界に封じる。志々尾も正統継承者たる実力を認めざるを得なかった…。
第24話『弟二十四話 限と恋のアタック』
百合奈の幼なじみ、品川葵が志々尾限に恋をした。応援し、猛アタック作戦を勝手に展開するキョーコ、アヤノだが、志々尾の無関心に玉砕する。そして百合奈は良守に助言を求める。その夜、志々尾は妖の攻撃に不覚を取るが、時音と良守の連係プレーに力を貸し、妖を見事退治。良守たちは志々尾の実力を認め始める…。
第25話『時音にイケメン』
烏森学園に地元アイドル、中高のプリンスこと八王子君也が現れ、時音をデートに誘う。新たな恋のライバル出現に危機感を募らせた良守は尾行を開始するが、途中で見失う。そんな時、志々尾を発見。時音たちを追跡していた志々尾に同行する良守。一方、廃ビルに時音を誘い込んだ君也から妖、脳男が正体を現した…。
第26話『良守がいない夜』
異界に浮かぶ黒き城郭、黒芒楼。その統括、白は幹部を集め烏森攻略に必要な『人皮』の完成を藍緋に急がせる。彼らの主たる『姫』の時間が限られているからだ。一方、良守が風邪をひいて休んでいる中、旧型の人皮を付けた妖、緋水が現れた。切り裂いても滅しても再生してしまう緋水を倒せず、苦戦する時音と志々尾だが…。
第27話『最高幹部十二人会』
夜行の頭領、正守は裏会の最高幹部、十二人会の末席に加わる事になった。だが、そこは、化け物のような力を持った恐るべき者たちの統べる場であった。烏森へも関心を寄せる幹部たち。彼らの排除を自らの手で下そうと正守は決意する。一方、良守は担任の黒須に取り憑いた黒猫の霊の処遇に困っていたが…。
第28話『黒芒楼の宣戦布告』
黒芒楼では、藍緋が新型の人皮を完成。旧型の人皮を付けた火黒を加えた五人は烏森学園に出現。その際、志々尾も良守も時音も全く侵入に気づかなかった。火黒たちは、話し合いがしたいと夜の烏森学園にくるように誘いをかけた。その夜、警戒しつつ良守たちが烏森に集う。火黒たちは、素直に烏森を明け渡す事を要求して…。
第29話『呪力封じの魔方陣』
良守の作戦で、呪力封じの魔方陣を脱する時音。茶南たちは妖の姿に戻り、攻撃を開始する。火黒に痛めつけられて逆上した志々尾は、禁じられた完全変化で妖の力を解放しようとし、見張りの翡葉に力づくで止められてしまう。一方、灰泉、波緑を滅した良守だが、時音を人質にとられ、怒りで絶界の気配を身にまとい…。
第30話『烏森の適任者』
火黒との戦いで完全変化しかけた志々尾は、禁を犯した罰として烏森警護の任務からの解任を申し渡される。良守は志々尾を引き留めようとするが、自分の殻に引きこもった志々尾は、妖退治の任務は果たすものの、全く聞く耳を持たなかった。そんな折、正守が墨村家に帰省。繁守は裏会幹部となった正守の真意を質して…。
第31話『志々尾驚きの経歴』
妖の力を秘めた息子の暴走を恐れた志々尾の父は、志々尾を預ける事を決意する。だが、家族に捨てられたと思いこんだ志々尾は、完全変化して我を失い、姉の涼に瀕死の重傷を負わせてしまう。正守は志々尾を制し、夜行に引き取る。そんな4年前の志々尾の過去を正守から聞かされた良守はそれでも志々尾の残留を強く願い…。
第32話『強烈な亜十羅の試練』
妖獣使い花島亜十羅が烏森にやってきた。目的は志々尾と良守と時音のチームワークのテスト。不合格の場合は志々尾を夜行に連れ戻すと宣言。その夜、学園敷地内で30分以内に亜十羅を捉える鬼ごっこがスタートする。良守たちは妖獣たちの妨害に大苦戦。協力しないとテストに合格できないと覚悟を決めた良守たちは…。
第33話『急げ繁じい本気走り』
妖が使った人の皮を手がかりに黒芒楼の調査を依頼していた繁守は、松戸からアジトのありかが分かったと報告を受ける。危険を察し、手を引くよう告げる繁守だが、松戸は敵に目をつけられていた。紫遠が刺客となり、松戸を急襲。駆けつける繁守だが、松戸は殺されてしまう。友の死に深く悔やむ繁守だが…。
第34話『卵から声 闇の誘い』
藍緋の提案で、姫を烏森の主とすべく動き出す黒芒楼。そして志々尾に接触した火黒は仲間になれと誘いをかける。それを拒絶する志々尾だが、妖混じりだという迷いのために火黒から渡された蟲の卵を捨てる事が出来なかった。そんな中、烏森に妖、鈴鳴らしが現れ、音波で攻撃する。良守たちは辛くも鈴鳴らしを滅するが…。
第35話『迫り来る黒芒楼』
雪村家の当主、時子が異界にある黒芒楼への道を探しに旅立った。一方、志々尾は火黒から渡された蟲の卵に気持ちをかき乱されていた。寝返りを促され苦悩する志々尾。そんな志々尾の悩みを感じ、信頼しようと努力する良守。そして姫のため、様々に画策した白は、ついに姫の動座を決行。雪村家墨村家にも刺客が放たれて…。
第36話『烏森炎上』
烏森に黒芒楼の大軍が襲来。迎え撃つ良守、時音、志々尾は牙銀の凄まじい攻撃に圧倒される。一方、東北におびき出された正守と夜行たちは扇の差し金の案件を片付けようと奮戦していたが、思いの外時間を食う。そして蟲の卵の囁きに翻弄されながらも戦う志々尾は牙銀の炎球攻撃に禁じられた完全変化で対抗しようとして…。
第37話『志々尾限最期の戦い』
牙銀と互角に渡りあい、ついにとどめを刺そうとする志々尾だが、その刹那、火黒の刃が志々尾を貫いた。良守は牙銀を倒し、火黒を追うが、瀕死の志々尾を伝える時音の声に我に返り、志々尾のもとへ駆けつける。志々尾は自分の力が友のために使えた事に満足して死んでいく。その死に呼応したのか、烏森に異変が発生して…。
第38話『それぞれの鎮魂』
牙銀亡きあと黒芒楼実行一部の長を?2の左金が占めた。一方、志々尾の死を悼む夜行たちは、その遺体を夜行本拠地から生家へと送り出す。そして正守は良守を連れ志々尾家の葬儀へ赴く。姉の涼が送り続けていた志々尾への手紙を返すためだったが、弟に自分の謝罪の気持ちを伝えられなかったと涼は号泣して…。
第39話『烏森の謎』
学園生活に戻った良守と時音だが、志々尾を失った痛手は深く心は沈んだままだった。そんな時、烏森の謎の調査のために黒芒楼の情報部、碧闇が動き出した。枯れ果てた無色沼に時音と駆けつけた良守は、そこで豆蔵と再会。土地神様であるウロ様の無事を確認し、豆蔵からくろすすき(黒芒)の化け狐の話を聞く…。
第40話『黒芒への道』
雪村家に時子が帰ってきた。だが、また旅立つという。時子はひそかに黒芒楼の城への道を作ろうと考えていたのだ。一方、扇一郎から夜行の活動を制限される正守。ことを起こす覚悟で扇に逆らった正守は、夜行の本拠地を烏森へ移動する準備を命じる。そして良守は、黒芒楼へ再度旅立つ時子の尾行を開始するが…。
第41話『特訓の日々』
対黒芒楼戦に備え、大好きなケーキ作りを封印した良守。時子から、「力の使い方がわかっていない」と指摘された良守は、修行の方向性が掴めなかった。そんな時、裏山のカラスと遭遇。カラス相手の特訓を思いつくが、多勢に無勢で散々な目に遭う。お寺の和尚さんや時音の助言を得て、カラス攻略の極意は会得できるのか?
第42話『夜行の面々』
良守と時音を囲んだ謎の集団は正守配下の夜行たち。正守は黒芒楼壊滅のため、夜行の本拠地を烏森に移す事にしたのだ。墨村家と雪村家に逗留する夜行たち。そんな中、良守は志々尾のアパートで亜十羅と再会。志々尾の死を自分のせいだとわびるが、亜十羅は死の間際に志々尾が笑顔を見せたのがうらやましいと打ち明ける…。
第43話『暗雲の再来』
夜行の少年、閃たちが良守の実力を試そうと挑んできた。志々尾の背を見送り何も出来ずに死なせたと責められた良守は、仇を取ると閃たちに誓う。一方、時音は烏森を守るべく黒芒楼に勝てるのか、不安を覚えていた。しかし、良守の明るい振る舞いに癒される。そして左金率いる黒芒楼の一軍が烏森学園に再襲来して…。
第44話『烏森の激戦』
斑尾が人皮の臭いを察知。火黒を発見した良守だが、それは紫遠が化けた偽物だった。結界師を黒芒楼の城の維持に利用しようと考えた白から結界師を捕えてくるように命じられたのだ。火黒と対決するため、自分を黒芒楼へ連れて行けと望む良守を連れ去る紫遠。その様子を目撃した閃も紫遠に攫われてしまい…。
第45話『黒芒楼の人柱』
烏森を襲った左金は亜十羅を人質に烏森の地を要求するが、正守の術に敗れて倒された。その頃、時音は黒芒楼がある異界への潜入を果たす。一方、異界へ連れ去られた良守は、黒芒楼の城の修復に協力するよう命じられるが、閃を人質に取られても拒絶してしまう。白は大人しく従うように消耗させる作戦を紫遠に命じるが…。
第46話『異界の迷路』
松戸に助けられた良守は火黒を見つけるが、閃の救出を優先させて対決を見送った。異界を維持する力が限界に近づいていた姫は、閃を探していた良守と出逢う。良守の本質を見抜いた姫は、力を与えて放ってやる。そして良守は、姫の力で迷路のような城中を迷わず走り、閃を発見。一方、松戸はついに白を捉える…。
第47話『因縁の決着』
友人・白沼と松戸との間に生じた白沼の妻、リサを巡る因縁。リサの死後、白沼も死んだと思われた。リサを慕っていた松戸はリサの蘇生を試みる。その課程で悪魔召還に成功した松戸は悪魔と契約し、リサの似姿をとらせて助手(加賀見)にする。白の正体が白沼だと気づいた松戸は、長年の決着をつけるため対決するが…。
第48話『崩れゆく城郭』
良守を探して地下牢へ向かう時音。その地下牢に閃が囚われていた。時音が追ってきた事を知らない良守は、閃を助けると牢を出てしまい、火黒を探し求める。その無謀さに困惑する閃だが、時音と出逢い、危険も顧みず動く二人に感化され、良守探しに協力。ついに良守を見つけるが、城の崩壊に時音が巻きこまれてしまう…。
第49話『哀しき妖花』
良守たちとはぐれ、黒芒楼の奥深くに辿り着いた時音は、藍緋が妖であるにもかかわらず恐れずに近づいてきた一人の男の話を聞く。だが、奇妙に心地よい日々は男の兄が死に男が家業を継ぐと終わった…。以来、人間に興味を持った藍緋は研究を続けてきたという。しかし、時音を逃がした藍緋は火黒の刃に倒れて…。
第50話『最終決戦!』
決戦の中、良守の未熟な絶界と対峙した火黒は、その技の完成型を以前見たと教える。その一方で、志々尾を引き合いに出し、能力を持つ者故の苦悩を人間の中で感じたはずだと指摘、良守に自分の過去を話し出す。火黒はかつて人だった。だが、人としての情けを捨て、妖になったのだ。はたして両者の戦いの行方は…?
第51話『良守と火黒』
良守を身内に取り込もうと誘う火黒。だが、良守は拒絶する。怒る火黒に弾き飛ばされた良守は閃と時音と再会。火黒の強さと良守の絶界の出力不足を指摘する閃。だが、良守は閃に時音を託すと再び火黒に挑む。良守の術の立ち上がりの遅さに気づいた閃は加勢。その閃の危機に良守の絶界が完成し、火黒は倒されるが…。
第52話(最終回)『黒芒楼の終焉』
火黒を倒すも結界内で意識を飛ばしてしまう良守。時音と正守は協力して良守の結界の解除に成功する。一方、姫の力の終わりが近づき、崩れゆく黒芒楼。紫遠は碧闇を手下に変えると何処かへ逃げ去った。黒芒楼の楼閣が消え、広がる金色のススキ野で異界の終焉に従う姫と白。良守たちは崩壊する異界から脱出しようとするが…。