第1話『宇宙人の都会』
高校2年生の男子・丹羽真は、両親の海外赴任に伴い、都会で暮らす叔母・藤和女々の家で暮らすことになった。女々には夫も子供もいないと聞いていた真は、女々が仕事で出かけている間は誰にも干渉されず、気ままな暮らしを満喫できると期待する。だが、藤和家の玄関をくぐるや否や、真の期待は打ち砕かれることに。なぜかそこには、女々の娘・エリオが、布団から足だけ突き出た簀巻き状態で転がっていた。
第2話『失踪する思春期のレヴェリー』
エリオは、見た目はとびきりの美少女ながら、宇宙人を自称する重度の電波女だった。電波女との同居という事態に見舞われながらも、真はクラスメートの女の子・流子や前川さんと一緒に下校したりして、高校生らしい青春イベントに心弾ませる。そんなある夜、エリオのリクエストで一緒に海岸まで出かけた真は、エリオが宇宙人を自称するきっかけとなった事件のことを知る。
第3話『地を這う少女の不思議な刹那』
エリオには半年に及ぶ謎の失踪期間があり、その間の記憶を失っていた。記憶がない不安から現実逃避し、宇宙人のせいだと思い込むことで心の安定を図ろうとするエリオに、真はいら立ちを覚える。エリオに挑発的な言葉を投げつけて、彼女の宇宙人幻想を壊し、現実と向き合わせようとする真。
第4話『右腕骨折全治一箇月』
真は、青春っぽい体験をする度に獲得できる“青春ポイント”を、独自の基準と計算により集めていた。エリオの妄想を打ち砕くため、一緒に崖から海へダイブした真は、青春ポイントの最高得点である5ポイントを得るのと引き替えに、右腕を骨折して入院するはめに陥る。エリオは見舞いに来なかったが、流子と前川さんが見舞いに訪れて……。
第5話『サンクスギビングの憂鬱』
迎えたくない40歳の誕生日を迎えた女々は、半ばヤケクソ気味に大はしゃぎ。エリオから誕生日のプレゼントをもらい、大喜びした女々は、去年の誕生日を祝いそびれたエリオのために、明日はエリオの誕生日にしようと企画する。翌日、宇宙人改め、家事手伝いの地球人となったエリオは、真に社会復帰のため働きたいと告げる。
第6話『リュウ「コ」さんの、なんちゅーか、もやーっと』
商店街の駄菓子屋・田村商店で働き始めたエリオ。そこへ、店の常連だった流子と、流子の友人・ミッキーが来店する。数々の奇行からエリオに悪印象を持つミッキーは、もう店に来るのをやめようかと言い出し、流子はエリオの悪評ぶりをあらためて認識。そのとばっちりで、真が学校で孤立するのではと心配する。そのような折、前川さんが真の部屋へ遊びに行くことに。真に対し、友達以上恋人未満の感情を抱く流子は、心中穏やかでなくなり……。
第7話『誰かさんの思い出になる日』
真の部屋訪問より約一月前。和菓子屋でバイトしている前川さんに、謎の人物からペットボトル入りのコーラ5本が届けられる。最近頻繁にペットボトルロケットを打ち上げている人からの贈り主ではと推理した前川さんは、打ち上げ現場を訪れて、1人の男と遭遇。男は自分が贈り主だとあっさり認めると、前川さんにペットボトルロケットの製作を依頼してきた。1体につき5000円という破格の製作費を提示され、前川さんは依頼を引き受ける。
第8話『ツィオルコフスキーの祈り』
女々は田村商店を度々訪れ、店主の老婆の世話をしていた。夫に先立たれた上に体調が悪く、生きる気力を失っている老婆をどうしたら元気づけられるか、女々は考える。考えた末に、ペットボトルロケットを作り始めた彼女は、試射のために廃校のグラウンドを訪ねて、前川さんにロケット作りを依頼した男と遭遇。実は男は、女々の子供のころの友人だった。男の名前を思い出せず、適当に山本と名付けた女々は、彼にあることを依頼する。
第9話『地域限定宇宙人事件』
一学期が終わり、真たちは夏休みに突入。これといってすることのない真は、前川さんに誘われて、早朝草野球に参加する。商店街チームのメンバーとなった真は、対戦相手の都会チームに参加していた同学年の男子・中島と知り合い、住む地域によって町内に微妙な対立があることなどを教えてもらう。試合後、帰宅した真から野球の話を聞いたエリオは、自分も参加したいと言い出し……。
第10話『軒下少女』
都会チームには、宇宙服のコスプレをした自称超能力者兼宇宙人の少女・ヤシロが参加していた。宇宙人同士仲良くしようと迫るヤシロに、エリオは怯えて逃げ惑い、真が助けてやるはめに。その日の晩、真とエリオが藤和家の庭で天体観測をしていると、家の軒下から宇宙服姿のヤシロが這い出てきた。布団で武装したエリオの突進を受け、宇宙服のヘルメットが脱げたヤシロの素顔に、真は思わず絶句する。
第11話『今年の夏はバスケと超能力と布団と天体観測と祭りと野球と女々たんと』
前川さんと街でバッタリ出くわしことから、前川家で昼食をごちそうになる真。食事の後、一緒にゲームをして遊んでいると、不意に前川さんが「転校生は何かをあきらめるのが得意そうだ」と、真への印象を語り出す。実は真は小学生のころ、少年サッカー団に所属していたが、試合に出られない状況が続いたため自分で自分を見限る形でやめてしまっていた。後日、真は流子を応援するため、バスケ部の練習試合を見に行くのだが……。
第12話(最終回)『秒速0.00000000198センチメートル』
祭りの主催権が賭けて、野球で勝負を付けようとする商店街チームVS都会チーム。その最終試合に、商店街チーム唯1人の投手である前川さんの父が、プレッシャーに負けて逃げ出してしまった。商店街チームの監督に就任した女々は、独断でエリオを投手に指名。しかし、エリオに投手経験などあるはずもなく、マウンドで入門書を読みはじめる始末。この緊急事態に、前川父の捜索を命じられた真は……。