第1話(第1シリーズ)『テニスとノート』
高校一年生の丸尾栄一郎(まるおえいいちろう)は成績優秀で真面目な優等生。授業用のノートの他に清書用ノートを作るほどきちょうめんな性格で、今まで勉強だけに力を入れて過ごしてきた。ある日、栄一郎は「運動不足を解消したい。」という軽い気持ちで南テニスクラブ(STC)の無料体験に行く。そこには学校のアイドルで天真らんまんな鷹崎奈津(たかさきなつ)がいた。栄一郎はそこでテニスの世界へと足を踏み入れることに…。
第2話『几帳面(きちょうめん)と大雑把(ざっぱ)』
プロを目指している奈津(なつ)に「何してる時が一番楽しいの?」と聞かれ、何も答えることができなかった栄一郎(えいいちろう)。次第にテニスに興味を持ち始め、再び無料体験を訪れた栄一郎は、そこで奈津と仲の良い先輩の江川逞(えがわたくま)と出会う。ところが逞はなぜか栄一郎に敵意をむける。見た目が怖い逞におびえる栄一郎。そんな状況の中、栄一郎は奈津から基本的なボールの打ち方を教わるが・・・。
第3話『喧嘩(けんか)で勝負』
逞(たくま)のサーブをうまく打ち返したときの感触が忘れられない栄一郎(えいいちろう)は、壁打ちの練習に没頭し始める。日曜日にも関わらず6時間もの間すごい集中力で一人練習に打ち込む栄一郎の姿を見た奈津(なつ)は、強くなることを予感するのだった。サーブを打ち返す練習のため、逞のサーブを見学することになった栄一郎。全国レベルのプレーヤーである逞のサーブを見てプロを目指しているのか?と尋ねたのだが・・・。
第4話『顔面で確信』
逞(たくま)と勝負をすることになった栄一郎(えいいちろう)。50球中、1球でも逞のサーブを返せれば栄一郎の勝ち、というもの。今まで教わったことを思い出し、ノートを見ながら基本に忠実に打ち返そうとするが、全国トップクラスの逞の強力なサーブを打ち返せる訳もなく、次第に追い込まれていく。その時、「ボールを迎えてあげなきゃ!」と突然奈津(なつ)の声が・・・。その声に栄一郎は勇気を出して体を前へと動かした!
第5話『初試合が予想外』
初めて試合に出ることになった栄一郎(えいいちろう)。STCの面々が色々アドバイスをするのだが、余計に緊張し混乱してしまう。そんな中、試合開始の時刻は迫り、心臓の高鳴りが収まらないまま、栄一郎はテニスコートへと向かうのだった。一回戦の相手は湘南(しょうなん)工業学院テニス部の副主将で県大会ベスト8、テニス歴5年の強敵大林良(おおばやしりょう)。ついに、栄一郎の初めての試合が始まる!
第6話『未熟が原石』
天性の目の良さで相手の動きを予測し、粘り始めた栄一郎(えいいちろう)。簡単にポイントを許さず、大林(おおばやし)を苦しめる。すべてにおいて大林より経験不足の栄一郎がここまで粘れるのは、目が良いからだと気づく三浦(みうら)コーチ。しかし栄一郎のプレーはコーチの予想を大きく上回る。少しでも長く試合をしたいがために粘る栄一郎と、それを打ち破ろうとする大林。果たして、勝負の行方は・・・。
第7話『9分割と現実』
これからの練習次第で、強くなれると栄一郎(えいいちろう)に言う三浦(みうら)コーチ。そして栄一郎に「強くなりたいなら朝7時にSTCに来なさい」と告げる。翌朝、強くなりたいと願う栄一郎を待っていたのは、三浦コーチと①~⑨までの数字が書かれ9分割にされたテニスコートだった。訳がわからない栄一郎にコーチは「君が強くなるためのコートだよ」と言うのだが、果たして、コーチの言葉の意味とは…?
第8話『1年と20冊』
試合中にノートを書く姿から「ノートのやつ」とうわさされるまでになった栄一郎(えいいちろう)は、テニスに打ち込む日々を送っていた。しかし試合では、なかなか勝ちすすむことができず、ライバルとの力の差を見せつけられていた。栄一郎は悩んだ末、走り込みや身体強化に一層力を入れる。時は流れ、高校2年生になった栄一郎たち。こうして、再び神奈川ジュニアサーキットの季節がやってくる。
第9話『真面目がスタイル』
大林(おおばやし)戦から一年。再び神奈川ジュニアサーキットに出場するため練習を重ねてきた栄一郎(えいいちろう)は、会場での壁打ちにも気合いが入っていた。そしてその会場には宮川卓也(みやがわたくや)、荒谷寛(あらやひろし)らライバルたちも集結し、その闘志をぶつけあう。誰が勝つと思うか聞かれた奈津(なつ)は、「エーちゃんはきっと台風の目になる」と答えるのだった。そしていよいよ試合開始の時がやってきた。
第10話『違和感で崖っぷち』
第5シードの宮川卓也(みやがわたくや)が栄一郎(えいいちろう)の前に立ちはだかる。宮川は、180㎝の長身から繰り出される強打を武器とする実力者。実家はテニスクラブを経営していて、物心ついた時からテニスをやっていた。試合中にはコブ茶と梅干しで一息つくという独特な休憩方法をとる宮川。栄一郎にとって、1年の練習の成果が試される勝負が今始まる。
第11話『リスクと可能性』
危険を冒した攻撃で宮川(みやがわ)を苦しめる栄一郎(えいいちろう)。なんとか崖っぷちは乗り越えたが、勝つためには宮川のサーブゲームをブレイクしなければならない。目のよさを生かして粘り始める栄一郎。決定打が決まらず、お互いに譲らず試合は最終局面へと突入する。そんなとき、これまで負けないことだけを考えていた栄一郎であったが、突然、勝てる可能性を見つけだす。勝つことだけを意識した二人の激闘は果たして?
第12話『記憶で進化』
少しでも強くなりたい栄一郎(えいいちろう)は、STCに臨時で来ているフロリダのスポーツ心理学者・マイクの指導を受けることになった。技術面より精神面をサポートするマイクは突然、栄一郎に目を閉じて奈津(なつ)と初めて会ったときを思い出すようにと言う。意味が分からず戸惑う栄一郎。しかし、一流のプロにも信頼されているマイクの言葉にしかたなく目を閉じ、奈津との初めての出会いを思い出すのだった…。
第13話『芸術と技術』
栄一郎(えいいちろう)が次に戦う相手は、ひとつ年上の岩佐博水(いわさひろみ)という物静かな男。パワーではなく頭脳でプレーするタイプで、あらゆるショットを器用にこなし、難しいショットも巧みに操る強敵。しかし、他人に興味がなく、次の相手が誰なのか知ろうともせず、何を考えているかさえ分からない。「コートにいい絵が描けたときが一番うれしい」という彼の言葉の意味とは…?
第14話『パズルの成果』
長時間の戦いになりそうな栄一郎(えいいちろう)と岩佐(いわさ)の試合。栄一郎は得意の粘り強さで圧倒的にリードしていたが、本領を発揮した岩佐にあっという間に追い詰められてしまう。このままでは負けると感じた栄一郎は、マイクの指導を実践すべく、絶好調だったときの自分を思い出す。なんとか主導権を握ろうとする栄一郎と、コート上に絵を描くことだけに執着する岩佐。この長い戦いを制するのは果たして!?
第15話『強引が計画』
野獣と呼ばれている荒谷寛(あらやひろし)は左利きで、神奈川ではナンバー2の実力者。相手に主導権があっても強じんな身体能力で食らいつく。カウンターを武器に強引に主導権を奪い返し、さらにスピード、パワー、感情を駆使しハイテンポなテニスで攻めてくる。何もかもが自分より格上の相手に対し、栄一郎(えいいちろう)は、情報収集と戦略をもとに完成した打倒荒谷ファイルを武器に荒谷との試合に挑むことに・・・。
第16話『野獣と主導権』
栄一郎(えいいちろう)は荒谷(あらや)のカウンターから初めてポイントを取った。しかし、それにより闘志に火のついた荒谷の猛攻は一層激しくなり、栄一郎は主導権を奪えずにいた。何とか自分のサーブゲームをキープする栄一郎だが、どこかでブレイクできなければ負けてしまう。得意の粘り強さで耐える栄一郎と猛攻を続ける荒谷。主導権を奪う方法が思いつかず苦戦する栄一郎。そんなとき、荒谷は今までにないミスをする。
第17話『プロで同級生』
栄一郎(えいいちろう)が取ればブレイクポイント。取られれば荒谷(あらや)のマッチポイントになってしまう。スピードとパワーに任せていた今までの戦い方とはうってかわり、戦略的になった荒谷のプレーに、栄一郎はついにマッチポイントへと追い込まれてしまう。だが決して諦めない栄一郎。なんとか荒谷の攻撃をしのぎ、試合はデュースへと突入する。今までにない力を出し切って戦うふたり。勝利を手にするのはどちらなのか?
第18話『決意でプレゼン』
奈津(なつ)が親しげに「爽(そう)ちゃん」と呼ぶ謎の男と出会った栄一郎(えいいちろう)。その正体は3年前にフロリダに留学し、まもなくプロデビューするという池爽児(いけそうじ)だった。次第にプロを意識しはじめる栄一郎。しかし、今の練習スケジュールではみんなから引き離される一方だと感じ、どうすればいいのか迷っていた。そんなとき、奈津から誘われ、池のデビュー戦を見に行くことに・・・。
第19話『覚悟と地獄』
プロを目指す決意をした栄一郎(えいいちろう)は、同い年でプロの池爽児(いけそうじ)と練習試合をし、技術的なこと以前に、根本的に身体の構造が違うと感じていた。そんな栄一郎に肉体改造が最優先と考えた三浦コーチは、2か月分のハードなメニューを用意していた。厳しい練習を覚悟していた栄一郎だったが「乗り越えてくれると信じてるぞ」と言う三浦コーチの言葉に緊張する。そしてついに特訓が始まった。
第20話『肉まんと焼きそば』
肉体改造特訓中の栄一郎(えいいちろう)。学校では文化祭の時期を迎えていた。文化祭実行委員の栄一郎だったが、特訓のため準備に参加できず、同級生の佐々木姫子(ささきひめこ)たちに任せっぱなしになっていた。そんな栄一郎は、急きょお化け屋敷や執事喫茶で大活躍することに・・・。忙しい中、休憩する時間ができた栄一郎に、奈津(なつ)が差し入れを持ってきた。仲良く話すふたりをみた姫子は・・・。
第21話『堅実と変化』
栄一郎(えいいちろう)の次の試合は、全日本ジュニア選抜室内関東地区予選。1回戦で戦う相手は、今大会第1シード、そして大阪の全日本ジュニアで逞(たくま)を破り優勝した難波江優(なばえゆう)。いきなり強敵とあたり思考が停止する栄一郎だが、気を取り直し逞対難波江の試合の映像を見て研究を始める。しかし、栄一郎がみた試合では守備的だったのに対し、逞と戦う難波江のスタイルは一変して攻撃的なものだった。
第22話『基本が弱点』
難波江(なばえ)との試合が始まり、順調に攻める栄一郎(えいいちろう)。ブレイクにも成功し、リードしたまま試合は進んでいた。しかし次第に難波江の反撃が始まる。序盤の難波江は、データを蓄積していたのだ。栄一郎のプレイスタイルが基本に忠実だと分析した難波江は行動を先読みし、徐々に栄一郎を追い詰めていく。やること全てを封じられ、まるで心を読まれていると感じる栄一郎。このままでは負けると思った栄一郎は…。
第23話『無謀な100分割』
かつて、ノートに描き出した100分割コントロールを実践するときがやってきた。しかし100分割でボールをコントロールするのは至難の業で、なかなかねらいどおりに入らない。勝つためにはこの方法しかないと考えた栄一郎は、コーチの「すべてのボールに追いつき、それをコントロールできれば理論的には負けない」という言葉を思い出し、難波江(なばえ)を倒すため勝負を仕掛ける。
第24話『義務と欲求』
みんなが帰ったあとも練習に励む栄一郎(えいいちろう)。しかし思うようにいかず、このままでは全国レベルで勝つことなどできないと焦りはじめていた。さらに走り込みを続ける栄一郎は、入口付近に不審な男がいることに気づく。するとその男は栄一郎に、三浦(みうら)コーチがいるかと聞いてきた。コーチからお金を借りているというその怪しい男は、不信感を抱く栄一郎に、走っている時の姿勢に気をつけるようにと言い出した。
第25話(第1シリーズ 最終回)『栄一郎と奈津』
青井(あおい)コーチから今日と明日はからだを酷使せず、やりたいことをして過ごすようにといわれた栄一郎(えいいちろう)は、影山(かげやま)の機転により、奈津(なつ)とデートすることに。映画やカラオケで楽しい時間を過ごすふたり。影山から告白しろ!と言われていた栄一郎は、奈津のことを意識してしまう。そんな休みを終え、張り切って練習に臨もうとする栄一郎に、青井コーチは突然、アメリカに行け!と言い出した。
第1話(第2シリーズ)『世界と壁』
プロを目指し、強くなりたいと願う栄一郎(えいいちろう)は、短期留学のためフロリダのテニスアカデミーにやってきた。テニスのためだけにすべてがそろう施設を目の当たりにした栄一郎は胸を高鳴らせる。そこへ笑顔の美しいマーシャという少女がやってきた。コーチの計らいで打ち合いをすることになったふたり。予想以上の力強いショットを打ち込んでくるマーシャだったが、だんだん不機嫌になってしまい…。
第2話『悪循環がラッキー』
練習初日、プロ選手のアレックスに練習試合を断られる栄一郎(えいいちろう)。しかし、栄一郎と同い年でプロの池爽児(いけそうじ)が、栄一郎に勝った者と試合をすると言い出した。そのおかげで、池と試合をしたいアレックスや多くの選手が栄一郎と試合をする事に…。アカデミーの選手たちの重いボールに苦戦する中、栄一郎は得意のコントロールを武器に戦うが、勝つことができない日々が続く。思い悩む栄一郎は…。
第3話『未来のデータ』
スランプから抜け出した栄一郎(えいいちろう)はついに1勝し池爽児(いけそうじ)と試合をする事に。以前よりも自分は成長したと信じて池に挑む栄一郎だが、試合は池の一方的な展開で完敗してしまう。トップレベルのプロの世界に触れた栄一郎。そして次の試合の相手は、前回勝つ事ができなかったアレックスに決まる。プロの壁にぶつかり悩むアレックスと、プロになりたいと強く思う栄一郎は…。
第4話『シンプルで覚醒』
栄一郎(えいいちろう)対アレックスの試合。ノートを取りながら試合をする栄一郎のスタイルに脅威を感じるアレックス。しかし、データで攻める栄一郎にアレックスは冷静に対処し、プレースタイルを変えるという方法で攻め立てる。これまでのデータが使えなくなり、考えるより目の前のアレックスに集中する栄一郎。本能に任せることで自然と身体が反応する事に気がつき始めた栄一郎は、次第に動きがよくなっていく。
第5話『タクマの決意』
フロリダ短期留学を終え、帰国した栄一郎(えいいちろう)は、久しぶりにSTC(南テニスクラブ)で奈津(なつ)や諭吉(ゆきち)たちと再会する。喜びもつかの間、神奈川県ジュニアテニス大会へ向け、厳しい練習が始まる。そして青井(あおい)コーチに促され、逞(たくま)に試合を申し込んだ栄一郎は、機嫌が悪い逞に、「完膚なきまでにたたきのめす!」と威圧されてしまう。留学で磨いたテニスを信じて、栄一郎は試合に挑む。
第6話『偵察で初遭遇』
逞(たくま)との戦いでサーブの重要性に気づいた栄一郎(えいいちろう)は青井(あおい)コーチと特訓に励む。そして、3学期が始まり進路について考える栄一郎は、両親と全日本ジュニアで優勝できなければプロを諦めると約束したことを思い出し、決意を新たにする。そんな中、栄一郎は全日本ジュニア選抜室内選手権の偵察に行き、試合を見てさらに気合いが入る。そこで偶然、奈津(なつ)のライバル・亜希(あき)と出会う。
第7話『正念場のリベンジ』
栄一郎(えいいちろう)の人生を懸けた挑戦の第一歩、神奈川県ジュニアテニス大会が始まった。1回戦の相手は栄一郎のライバル荒谷(あらや)の後輩西村(にしむら)。栄一郎の情報を西村に徹底的に伝授したと脅す荒谷の言葉に戸惑う中、試合は始まる。一方、やはり栄一郎のライバルである宮川(みやがわ)は、試合を見ながら、栄一郎がかつてより強くなったと実感。自分が成長した確かな答えを得るために打倒・栄一郎を決意する。
第8話『進化のスピード』
2回戦の相手は、自身の将来を懸けて大会に臨んでいる宮川(みやがわ)。今までの自分から変わるため手に入れた新しい武器(ショット)で攻めてくる。そんな宮川の強さを再認識する栄一郎(えいいちろう)。先にゲームをブレイクをした方が絶対的に有利な1セットマッチの試合は、緊迫した戦いが続く。予想以上に早い栄一郎の進化に、1年前とは別人だと感じた宮川は集中力を高め気持ちを切り替えるため持参したコブ茶を取り出す。
第9話『感覚で困惑』
榊原(さかきばら)コーチの提案により、栄一郎(えいいちろう)と奈津(なつ)は練習試合をすることに…。戸惑う栄一郎だが奈津と試合をすることで、感覚的なテニスを吸収してほしいと説明する青井(あおい)コーチ。栄一郎にとっては精神面の強化。奈津にとってはライバル亜希(あき)対策のため。お互い成長するためにふたりは真剣に戦いに挑む。一方、プロを目指す荒谷(あらや)もまた、強い意気込みで練習に臨んでいた。
第10話『雄たけびでスタート』
荒谷(あらや)と栄一郎(えいいちろう)の2度目の戦いが始まった。強じんな肉体から生み出される圧倒的パワーとスピードを武器にブレイクをもぎ取ろうとする荒谷と、コントロールを武器にブレイクを狙う栄一郎。荒谷は昨年の対戦からスピードもパワーもレベルアップし、弱点だった精神面の問題も克服していた。栄一郎は前回の対戦データと照らし合わせ対策を重ねていくが…。全く対照的な二人の戦いはかつてない熱を帯びていく。
第11話『選択肢と爆発力』
これまでの苦戦の理由は、荒谷(あらや)が左利きである事によるものだと気づいた栄一郎(えいいちろう)。持ち前の分析力で左利きに対する対策を練り、次第に相手の意表をつく攻撃を開始する。それにより栄一郎の戦略に選択肢が増え、荒谷は徐々に追い詰められていくことに…。思いどおりにプレーできない荒谷は次第にイライラを募らせていき、その怒りはついに頂点に達する。そんな荒谷がとった意外な行動とは?
第12話『逆境に全力』
ついにファイナルセットを迎えた栄一郎(えいいちろう)対荒谷(あらや)の熱戦。このセットを取った者が優勝を手にする。調子を上げてきた荒谷はケタ違いのパワーとスピードで攻めたてる。対する栄一郎はコントロールを武器に攻撃の選択肢を増やし、それを迎え撃つ。力と技の激しい攻防。そしてプロを目指す者同士の戦い。両者一歩も引かないままゲームは終盤を迎え、決着の時が近づいていく。果たして、優勝を手にするのは…!?
第13話『ライバルが集結』
熱い試合を終え、心底テニスを楽しいと感じた栄一郎(えいいちろう)に「今度の全日本ジュニアで優勝できなかったらプロを目指すことをやめられるのか?」という思いがよぎる。そんな中、STC(南テニスクラブ)では他のクラブとの交流練習が行われることに…。荒谷(あらや)、宮川(みやがわ)、岩佐(いわさ)らが集結し、実戦さながらの練習が始まる。そしてその中には、久々に再会する亜希(あき)の姿もあった。
第14話『月明かりと波音』
全日本ジュニア出場への最後の関門、関東ジュニアが迫る。「負ければプロを諦める」と両親に約束したことを再確認し、栄一郎(えいいちろう)は気合を入れる。そして千葉で行われる大会にむけ、STC(南テニスクラブ)のなかまと出発する。翌日の試合に備え、練習を終えた栄一郎たちは、宿舎で一息。そんな時、夜のロビーで奈津(なつ)と偶然出会った栄一郎は、「いいもの見せてあげる」と誘われるまま二人で出かけることに…。
第15話『ヒーローと大歓声』
ついに関東ジュニアテニス選手権大会が始まる。栄一郎(えいいちろう)の1回戦の対戦相手は矢河辺忠則(やかべただのり)。1年前の試合ビデオを見て研究はしていたものの、この1年で急激に伸びた高い身長と、見たことのない新たなプレースタイルに栄一郎は戸惑う。予想外の展開ばかりが続き、情報をすべて白紙に戻すべきかどうか迷う栄一郎。果たしてどう戦うのか?
第16話『スパッでギューン』
井出(いで)への大歓声に栄一郎(えいいちろう)が困惑する中、井出との対決が始まる。感覚でプレーする井出の行動が読めず苦戦する栄一郎だったが、奈津(なつ)との試合を思い出し、目で見て感じた事を重点に対処し始める。一方、ペースを変える栄一郎の攻撃に合わせる事ができない井出は次第に追い詰められ、突然ブツブツと小声で何かをつぶやき出すと周りの音が一切聞こえていないかのように集中し始めた。
第17話『天性でドラマチック』
天才的な適応力を発揮しどんどん調子をあげてくる井出(いで)。何をやっても一瞬で返されてしまい、苦戦する栄一郎は、改めてノートを見直すことで集中する。それをきっかけに動きが良くなり、レベルの高いラリーを繰り広げ、会場はさらに盛り上がっていく。どちらも一歩も譲らないキープ合戦だが、状況はわずかに井出の優勢。華のあるプレーで会場の観客を味方にしてく井出に、栄一郎はどう対抗する・・・。
第18話『プレッシャーをイメージ』
井出(いで)への大歓声を気にせずプレーしていたはずの栄一郎だが、体は思った以上にプレッシャーを感じていた。井出中心のドラマチックな展開に、気付かないうちに飲まれていたのだ。この状況を打開するにはどうすればいいのか?考え抜いた栄一郎は自分が感じているプレッシャーをノートに書き、目をそらしていたものと向き合い始める。応援を背に絶好調な井出と、勝利の道を模索する栄一郎との試合の行方は!?
第19話『失礼が初対面』
激戦の末、井出(いで)戦を制した栄一郎は、ついに全日本ジュニアへの出場を決めた。青井(あおい)コーチは栄一郎がゲームの終盤、理想的な精神状態「ゾーン」に入ることができていた、と説明する。次の相手は千葉県大会ベスト4の小野(おの)。そろって3回戦へ進出した諭吉(ゆきち)は、難波江(なばえ)と同じクラブで、難波江も一目置く謎の第4シード・高木(たかぎ)と激突する。高木の強さの秘密とは一体?
第20話『心理戦と自制心』
全日本ジュニアランキング1位の難波江(なばえ)にも勝ったことがあるという高木(たかぎ)との対決が始まった!諭吉(ゆきち)が「イヤなやつだから気をつけてください」と言っていたとおり高木のプレーは独特。あらゆる手段で栄一郎の精神を揺さぶってくる。調子を狂わされペースを握ることができない栄一郎。上位の実力を持っている高木だが、どんなことをしてでも勝とうとするその訳とは?
第21話『善悪と規則』
時にはマナー違反をおかしてでも、とにかく相手のペースを乱すことに特化した独特なテニスを展開する高木(たかぎ)に、栄一郎は苦戦を強いられてしまう。いくら冷静になろうとしても結果につながらないため、今度は逆に怒りを力に変えて戦おうとするがうまくいかず、栄一郎は次第に追い込まれていく。冷静になろうと精神統一に努めるが、今度は審判に時間超過の警告を受けてしまい・・・。
第22話『存在が原動力』
高木(たかぎ)を下し、栄一郎が準決勝に進出すると、女子の部門で奈津も圧勝して準決勝進出を決めた。その試合を見て、栄一郎は気持ちを新たにするのだった。次の対戦相手は身体面、精神面とも欠点のないオールAテニスの難波江(なばえ)。そんな強敵を相手に戦略で悩んでいる栄一郎に逞(たくま)は、子供のころの難波江の弱点を教える。最強の敵である難波江との戦いが今始まる!
第23話『積極的で理想的』
試合開始早々、ゾーンに近い状態に入る栄一郎。井出(いで)戦の時のような最高の状態となり、難波江(なばえ)に反撃するチャンスも与えず、早くもブレイクをもぎ取る。栄一郎の圧倒的なプレーに驚く難波江だが、冷静に思考を巡らし相手の動きや攻撃パターンを観察しデータを蓄積していく。しかし栄一郎の勢いは止まらない。このままファーストセットを取ると思われた栄一郎だったが・・・。
第24話『無謀と意外性』
こん身のフラットサーブを、難波江(なばえ)にあっさりと返されて、栄一郎は戦慄する。このままでは勝てないと感じた栄一郎は、リスクを覚悟の上で強引な攻撃を試し始める。難波江の虚を突いたことで、いったんは成功するが、この奇襲とも言える攻撃は、無謀と言っていいほど危ういものでもあった。冷静沈着なプレー姿勢を崩さない難波江に対して、栄一郎の強引なテニスは果たして通用するのか!?
第25話(第2シリーズ 最終回)『ファイナルセット』
ついに試合は最終局面を迎える。難波江(なばえ)に勝つビジョンを必死に思い描き、負けを覚悟で新しい戦法に打って出る栄一郎。過去のデータから、追い詰められたときの栄一郎は危険だと判断した難波江は、早めにたたこうとする。何かを新たに創造し変化する栄一郎と、徹底した冷静さと技術で王者に君臨する難波江。両者の息をのむ接戦に会場の盛り上がりも最高潮に達していく。プロを目指す栄一郎に勝利の女神はほほえむのか!?