第1話『たとえば』
高校1年の宇佐は親の転勤により、河合荘という下宿で暮らすことに。古いが趣のある河合荘を気に入った宇佐だったが、ルームメイトがまさかの変態ドM男(シロ)だと告げられる。いたたまれず外に出ようと玄関を開けると…そこには放課後の図書室で目を奪われた美しい少女(律)が立っていた! さらに酒乱女・麻弓との衝撃的な出会いがあって…。豊かすぎる個性を持った住人たちとの愉快な(?)ひとつ屋根の下ライフが幕を開ける!
第2話『これって』
せっかくの連休だが、ALL残念系の河合荘住人たちは言わずもがな、特に予定なし。暇を持て余していた宇佐と、お独り様であることに完全にロー状態の麻弓がシロの呼び声で中庭に目をやると……。そう、中庭は洗濯物を干す場所、遊ぶ場所、元気が出る場所、ヴィーナスが生まれる場所!!って、え!? 小悪魔女子大生・彩花も登場し、ついに河合荘フルメンバーが集結!!
第3話『どうして』
すっかり河合荘に溶け込んだ宇佐であるが、一番お近づきになりたい律との距離はなかなか縮められぬまま。宇佐はもやもやしながらも、河合荘な日常が続いていた。そんなある日、麻弓の携帯に元彼からの電話がかかる。過去に三股をかけられた最低男と知りながら、翌日早速会いにいく麻弓だが…。更には律の様子がどうもおかしく、宇佐は不安になるばかりで―。
第4話『とりあえず』
「宇佐くんなら絶対いけるよ!」彩花の甘ぁ~い言葉を反芻した結果、宇佐が導き出した答え―それは“空気を読まない”こと!自ら打ち立てた(勝手に)誓いを胸に、律にアタックしていく宇佐。そして次第に、一人ぼっちでさみしいはずの律を自分が何とかしようと意気込み始める。そんな中偶然立ち寄った本屋で、中学時代の同級生たちと楽しそうに会話をする律を目撃する。明るい笑顔を見せる律の様子に安心する宇佐であったが……。
第5話『やっぱり』
居間でいつものように戯れだす河合荘メンバー(というか主に麻弓、彩花、シロ)。そして戯れのさなか、偶然にも律の唇が宇佐の腕に触れてしまう。真っ赤な顔をしてその場から立ち去ってしまった律は、翌朝になってもそわそわと落ち着かない様子。その純粋すぎる律を見て、やはりかわいいと思ってしまう宇佐であった……。そんなある日外出先から帰宅した宇佐の前に現れたのは、カエルの目玉がついたフード付きレインコートに身を包み、大型の水鉄砲を提げた律で―。
第6話『もしかして』
河合荘の黒電話は突然鳴った。それは警察署からシロあての電話であった。…ついに逮捕か……と思われたが違ったみたい(ホッ)。散歩中に拾った財布の持ち主が見つかり、その持ち主が河合荘へお礼にやって来るというのだ。あくる日、「お財布届けてくれて、ありがとうございました!」という黄色い声とともに現れたのは、小学生の少女・千夏だった。そこからシロにすっかり懐いてしまった千夏は、毎日河合荘を訪れるようになるが…。
第7話『おすすめの』
とある夏の夜、河合荘に回ってきた回覧板。そこには、チカンの出没と注意を促す内容が書かれていた。本に夢中になるといつも周りが見えなくなる律を心配した住子は、しばらく下校中の読書を禁止したのだが、追い詰められた律は宇佐を護衛係に指名。そんな突然降ってきた配役を幸せを噛みしめながら仰せつかる宇佐には、当然拒否権など存在しないのであった。そして数日後チカンは逮捕され、いかにも晴れ晴れしく図書館に向かった律。時間も忘れ読書に没頭していた律が家路を辿っていると、物陰から不審な男が迫ってきて―。
第8話『うれしぬ』
変人処理能力の圧倒的高さを買われ、書生カフェでアルバイトを始めるはめになった宇佐の初出勤日。『姉小路』というとても素敵な名札を渡されたあと宇佐の前に現れたのは、「まとも」からは数億光年も離れた場所にいらっしゃるバイト仲間だった。そんなバイト先に、同級生・田神らが合コンの二次会で偶然にもやって来てしまう。しかもその中には、見事なまでに高校デビューを飾った中学時代の霊感女・林がいて―。
第9話『禁断の』
今日も元気に絶賛落ち込み中の麻弓。なんでも会社のお局さんに彼氏ができたんだとか。そこにタイミングよろしく押入れからギターを持ってくる住子。っというわけで麻弓の麻弓による麻弓のための『不幸せソロライブ』スタート!(麻弓MC:私の歌で少しでも私の不幸がうつれば幸いです。)でも呪いのライブも無視しないのが河合荘。「うるさいんだけど、うるさくないの」そんな律の言葉が、夏の夜風にやさしく流れていった。その深夜、静まりかえった河合荘に律の悲鳴が轟く―。
第10話『ほっとけばいいのに』
お手伝いの延長で、宇佐のバイト先である書生カフェでお茶をする河合荘の面々。そんな中シロは屋外で一人、熱射病ギリギリ責めという謎の苦行を実践していた。するとそこへ、霊感女・林が現れる。前回宇佐にしたヒドイ態度を謝りに来たのだった。林の素直な謝罪にニコッと笑い許す宇佐。一件落着かと思われたが、なぜか律は一言も声を掛けず、浮かない顔で帰宅してしまう…。
第11話『友達なんかいないって』
河合荘に突然やって来た、丸顔でメガネをかけた素朴な外見の女の子。常田美晴という名のその子は彩花の地元の友達らしいが、なぜか死ぬほど憂鬱な表情になる彩花。しかしその表情の訳はすぐに明らかとなる。釘バットによる農具小屋破壊事件、ホモ漫画……知られざる過去を次々と口にする美晴は、彩花の弱点BOXだったのだ。ならば歓迎あるのみ!と居間での宴会が始まる―。彩花に女友達がいたという意外すぎる事実が発覚した後日、図書室で一人本を読む律に声をかける眼鏡女子がいて―。
第12話(最終回)『近づきたくて』
図書室で声をかけて以来、律にべったりの眼鏡女子・前村。そんな前村が本好きの集まりと称して律を誘い出したのは、カラオケ合コンだった!一方河合荘では、偶然駅前でグループに混じる律を目撃した彩花の証言で、宇佐が焦りまくっていた。「ねえ、歌わないの?」律の耳元で話しかける眼鏡男子、三井―。どうなる律!? どうする宇佐!? 友達とか恋愛とか付き合いって一体何なのか。それは難しくってよく分からないけれど、結局僕らはみんな「かわいそう」。それでも、河合荘に帰れば毎日毎日くだらないことを吹っかけてくる仲間がいるっていうことに、どこか幸せを感じている(はずの)宇佐と律であった。