第1話『おにあい』
長年別々に暮らしていた妹と兄、秋子と秋人。二人は、秋人の努力によって、今は使われていない古い学生寮で一緒に暮らせることになった。引っ越しの日、秋子は胸躍らせて新しい住まいへと向かう。興奮と緊張の秋子を優しく迎える秋人。バラバラに過ごしてきた時は終わり、兄妹二人だけの水入らずの生活が始まった。
第2話『みだらね』
ようやく兄妹水入らずで生活できるようになった秋子と秋人だが、そうは問屋が卸さなかった。なぜか、秋子と同じ生徒会に所属する二階堂嵐、那須原アナスタシア、猿渡銀兵衛春臣も寮に押しかけてきて、一緒に生活することになってしまった。秋子は、どうにかして秋人をひとりじめしようとするが、思うようにはいかない。
第3話『ぶらなし』
古い学生寮で一緒に暮らす秋子、秋人、アナスタシア、銀兵衛、嵐たち。秋人は、学生寮の修繕や、掃除など、なりゆきで管理人の仕事にてんてこまい。ある時、アナスタシアが秋人を自室に招く。アナスタシアの部屋は、散らかっていた。引っ越したダンボールもそのままだ。そこで、アナスタシアは驚愕の告白をするのだった……。
第4話『はだかだ』
銀兵衛は、秋人に異性として見られていないことを気にしていた。部屋で二人きりになっても、緊張するのは銀兵衛の方だけで、秋人は平然としている。ある夜、嵐の提案で親睦を深める為に女性陣で一緒にお風呂に入ることになる。その裸天国で、銀兵衛が秋人にあのような辱めを受けるとは、誰も予想すらできなかった……。
第5話『せいかん』
嵐は、秋子、秋人、銀兵衛、アナスタシアに提案する。リリアナ学園の生徒会として、また同じ学生寮に暮らす仲間として、より親睦を深めるためにお互いの呼び名を決めようではないか、と。その提案に乗った秋子たちは、各々、呼び名を提案したりするが、本人に却下されたり、思惑が交錯したりで、なかなか呼び名は決まらず……。
第6話『まょちき』
秋人は生活費を稼ぐため、小説『禁じられた愛の物語』を書いている。担当編集の薫子は、兄妹の禁断の愛を描いたその小説の、兄が妹を愛する感情のリアリティに、もしかして秋人は実の妹を愛しているのでは? シスコンではないか? と疑念を持つ。薫子は真実を明らかにしようと、秋人たちが住む学生寮に向かうが……。
第7話『ちっぱい』
秋子たちが住む寮の新しい管理人としてやってきた鷹ノ宮ありさ。12才で家事万能、秀才の彼女は、秋人の婚約者だという。アナスタシア、銀兵衛、嵐はライバルとはいえ、可愛いありさを歓迎するが、秋子はそうではなかった。秋人を奪われるかもしれない、さらに妹ポジションまで奪われるかもしれないと恐怖した秋子は……。
第8話『からふる』
もうすぐ夏がやってくる。夏といえば、青い空、白い雲、そして、海だ。秋子、アナスタシア、銀兵衛、嵐、ありさは、きたる夏に備えて水着を買いに行く。秋人に喜んでもらうには、秋人の目を惹くには、秋人を誘惑するには、どんな水着がいいのか……、それぞれの思惑が交錯する中、選択と、試着が繰り広げられ……。
第9話『にーにー』
秋子たちが通うリリアナ学院。秋人は銀兵衛の怪しい行動を目撃する。不審に思い、銀兵衛の後をつけると、銀兵衛はひと目を避けるようにコソコソと校舎の裏へと消えていった。誰かと会っているのか?その時、秋人の耳に聞こえてきたのは、銀兵衛の艶声だった……。まあ、銀兵衛は子猫を相手にしているだけなんですけどね。
第10話『ぎんだま』
銀兵衛は、秋人が自分を異性として意識してくれないことを悩んでいた。風邪を引いて寝込んでしまった秋人を、かいがいしく看病する銀兵衛は、小学校五年生の時、秋人と出会った時の事を思い出していた。転校してきた秋人は、銀兵衛を男の子だと思い込んでいた。その時から、今にいたるボタンの掛け違いが始まったのだ……。
第11話『はかない』
風呂上がり、産まれたばかりの姿にタオルを巻きつけただけのアナスタシアは、始めて味わう深い苦悩の中にいた。屈辱感すら覚えていた。そう、風呂上がりに履く下着がみつからないのである。散らかった部屋のどこかにあるはずだが……。その時、ありさの悲鳴が聞こえ、アナスタシアは履いてないまま部屋を出るはめになり……。
第12話(最終回)『あいだね』
寮の周囲に痴漢がいるかもしれないと、パトロールに出た秋子たちは、ひょんなことからバラバラになってしまった。秋子はアナスタシアと二人きりになる。アナスタシアは、秋子と始めて出会った時のことを思い出していた。秋子への複雑な想い……、秋人との出会い……。そして、下着を履いていないことが秋子にバレてしまい……。