ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-

評価：
美しい色遣いと繊細な心理描写が光る素晴らしい作品で、何度も何度も泣いてしまいました。主人公の優しさや一生懸命さが真っ直ぐ胸に響いてきて、感動の連続です。他人のことを思い、他人に真剣に向き合うことができるようになった主人公は、とても輝いていて、凛々しくて、憧れます。私も彼女みたいな生き方ができたらいいのにと思います。そして、誰もが皆一生懸命に生きているのがとても眩しくて、観ていて心が洗われました。悪い人はいないですし、それぞれが迷いながらも前向きに未来を見ているので、毎日を精一杯頑張る活力や勇気をもらいました。そして、緻密に描かれている絵の一コマ一コマが幻想的で、まるで夢の世界のようで、繰り返し見たくなりました。

評価：
見終わった後でも映像の美しさが頭から離れないこだわりの詰まった映画に感じました。主人公のヴァイオレットは、手紙の代筆を本業としていますが、今回はヨーク家の令嬢イザベラの家庭教師になります。両腕が義手のヴァイオレットに、女学園の寮での令嬢の世話は無理な気もします。イザベラは見かけも振る舞いも他の令嬢から見劣りし、自身も投げやりでとても学校に馴染んでいるようには見えません。けれど、ヴァイオレットは常に冷静にイザベラに寄り添います。無表情に話すヴァイオレットですが、どんな時もイザベラの抱える問題に的確に対応します。イザベラもだんだんと心を許すようになり、ついに自身の過去についてヴァイオレットに話します。父親の愛人の子として生まれ、ヨーク家と無縁に暮らしていて、エイミー・バートレットと言う名だったこと。捨て子だったテイラーを妹のようにして世話をしていたこと。ヴァイオレットは、どこにいるかわからないテイラーに手紙を書く事を進めます。手紙という手段で思いを伝える良さを丁寧に教えてくれた映画です。

評価：
最初に思ったのは「45分アニメで前後半構成になっている」でした。前半はヴァイオレットが仕事を通じて感情や人の気持ちを学ぶ姿や今回のイザベラも今までの人たちと同じで悲観的だったが心境が変化していく流れは実家のような安心感。そんなヴァイオレットがお金の遣り取り関係なく自分から手紙を書くと言い出したので彼女の変化が見て取れるシーンがお気に入りです。後半はベネディクトが主役とも言える流れだったがテイラーの為に姉探しに奔走する面倒見の良さ、ぼけた婆さんとの他愛ない会話が最初と最後で変化が出ている、ホッジンズとのバイクの遣り取り、前半の「静」に対して、後半は「動」と対照的で面白い。もちろんヴァイオレットも出ているが、テイラーからすれば配達員の彼は初めて出会った郵便社のスタッフなのでヴァイオレットよりも彼にの事を慕う姿は微笑ましいものがある。またルクリアの再登場、オスカー氏の話題、依頼の背景にあるドロッセル王国とこれまで登場した人たちも出ているのでTVシリーズ見ているとニヤッとしてしまう。これ単独で見ても凡そ話になっているものの、やはりTVシリーズすべて見てから鑑賞した方がより楽しめる事は良いと思います。