第1~12話
第13話『汝の敵を愛せよ』
情報屋が不在の街で、池袋の住人達は各々の休日を過ごす。家族と買い物に出掛ける者、恋人や仲間と過ごす者、新たな決意を胸に秘める者、情報屋の撒いた噂の種に踊らされ動き出す者達……。一見穏やかに過ぎる時間の中にも潜む騒動の気配。そして遠く離れた地でその日一日、臨也は待っていた。自分を殺しに来る“誰か”を。
第14話『邯鄲の夢』
臨也の負傷により不意に訪れた休日にも、矢霧波江は愛する弟・誠二に関する情報収集に余念がない。労力も財力も惜しまず得る情報から誠二の日常を垣間見て喜びを抱く日々。しかし一方で、憎しみに心を染め上げる。弟の傍らに常に寄り添う少女・張間美香。その存在についに業を煮やした波江は、美香を排除することを決意するが……。
第15話『縁は異なもの、味なもの』
“粟楠会の赤鬼”との異名を持つ粟楠会幹部・赤林海月。薬物を嫌い、池袋の街の動向に昼夜目を光らせる彼は、かつて属していた組織の組長を殺害した疑いをかけられている。彼が薬物を心の底から嫌う理由、そして組長を殺害したとされる疑惑。それらはすべて、6年前、彼が“斬り裂き魔”と出会った新月の夜から始まっていた――。
第16話『人の噂も七十五日』
街を“池袋最凶”に纏わる噂話が駆け抜ける――。「奴は負傷し、女と出歩き、子供まで連れているらしい」と。ヴァローナもまた、真偽入り混じる噂の中のひとつ。静雄に敗北した後、目的を失っていた彼女は、デニスの提案で取り立て屋の仕事を手伝うことになるのだが……。そして街では、噂を信じた男達が打倒・“池袋最凶”に動き出す。
第17話『寝ても覚めても』
季節は夏を迎えた。着々と進む“ダラーズ”内での粛清。帝人の様子に違和感を抱く杏里と、離れた地で帝人を心配する正臣。人気アイドルであるルリは、悪質なストーカーに悩まされていた。ストーカーは“ダラーズ”内にいるらしい。情報を得ようと、幽とルリは静雄のもとを訪ねるのだが……。それぞれの悩みを抱え、街は蠢き出す。
第18話『花に嵐』
彼はルリを愛していた。彼がストーカーと化し、彼女の心を破壊したいと願うほど強く愛したきっかけ。ルリが独り抱きつづけた苦悩、そして殺人鬼“ハリウッド”が誕生した理由が明かされる。それは、あまりにも忌まわしき過去の記憶だった――。一方、池袋の街へ帰る決意をした正臣は、ケジメをつけるため、ある人物の前に立つ。
第19話『猫を殺せば七代祟る』
ルリに関わるすべての人間がストーカーの標的となっていく。静雄と行動をともにしていた正臣も事態に巻き込まれ、その渦中で“ブルースクウェア”メンバーと遭遇する。杏里の身に危険が迫っていること、この騒動に帝人が関わっていることを知った正臣は真相を求め駆け出すが――。そして池袋に戻ってきた情報屋は、新たな計画を始動させる。
第20話『口に蜜、心に針』
闇カジノを仕切る“アンフィスバエナ”と、薬の売人グループ“へヴンスレイブ”。きな臭い噂が行き交うも、正体の掴めない二つのグループがあった。粟楠会は探りを入れるため臨也に仕事を依頼するが、臨也は“アンフィスバエナ”に拘束されてしまう。組織のナンバー2・ミミズは臨也をいたぶり、情報を引き出そうとするが……。
第21話『口八丁手八丁』
数々の偽名を用い、騒動の裏で暗躍をつづける臨也。そんな彼の偽名のひとつである“奈倉”。臨也がこの名前を手にしたのは、今から12年前。中学生の頃だった。新羅の口から語られる、臨也と新羅の出会い。そして現在につづく“奈倉”にまつわる因縁の関係とは――。そして、臨也はセルティにある荷物を運ぶ依頼をするのだが……。
第22話『愚か者に福あり』
“ダラーズ”を巡ってさまざまな人物が動き出す。帝人の現状を知った正臣は“黄巾賊”を復活させ、“ダラーズ”を潰す決意を固めると、門田達に協力を願い出る。そして帝人と行動をともにする青葉のもとには兄が姿を現し――。一方、“へヴンスレイブ”の活動から端を発した問題は、澱切の介入により更に複雑な様相を見せ始めていた。
第23話『同じ穴の狢』
門田が轢き逃げにあった――。その噂は池袋中を駆け巡り、轢き逃げ犯を見つけるため、渡草と遊馬崎は行動を起こす。“ダラーズ”についての情報を得ようと奔走する贄川周二は四木に接触。帝人の調査を臨也に依頼した赤林も次の一手に出ようとしていた。そして、“ダラーズ”を次の段階に進めるため、青葉はある人物に狙いを定める。
第24話(最終回)『蛇の道は蛇』
“ダラーズ”の内部粛清を進め、理想を実現しようとする帝人。その行動はエスカレートし、“黄巾賊”との衝突にまで発展していく。臨也は自分を刺した男・澱切を追いつめるが、そこには臨也すら予知できない事実が潜んでいた。池袋の街で次々と起こる騒動の先にあるものとは。さまざまな事件が絡み合い、物語は更なる混沌を深めていく――!