第1話『天武の暁』
文久三年二月。母親を病で亡くし、あてもなくさまよっていた井吹龍之介は、浪人に襲われ行き倒れていたところを、壬生浪士組として上洛の途中であった芹沢鴨に拾われる。連れられた先で出会ったのは、本物の武士を志す男たち――土方歳三をはじめとする浪士組の面々であった。
第2話『導かれし運命』
拾われた恩を返すべく、芹沢の下で働くことになった龍之介は、次第に浪士組の仲間と打ち解けてゆくが、身勝手な芹沢には相変わらず振り回されていた。そして将軍・家茂の入洛日、浪士組として自主警護を申し出る近藤・土方に対し、芹沢はまたしても異を唱え……。
第3話『群狼の掟』
浪士組に、正式に会津中将御預かりとなる旨の通達が下った。京での残留許可を得て、堂々と見廻りができることに皆が湧く中、芹沢の伝手を頼った結果であることを承知している土方は素直に喜べずにいた。その夜、祝杯をあげに訪れた島原で、舞妓の小鈴が芹沢に反発し、大騒動が巻き起こる。
第4話『血塗られし刃』
突然土方より江戸への帰還を告げられた沖田は、思わず八木邸を飛び出してしまう。近藤を筆頭に、沖田の様子を心配する浪士組――その中で井吹は、近藤と沖田の関係を知る。一方芹沢は、殿内という隊士が近藤暗殺を密かに企てていると沖田に告げる。それを聞いた沖田は……
第5話『蒼穹のきざはし』
資金調達のために繰り出した大坂で、芹沢は商家から押し借りまがいの言動で金を出させる。責め立てる近藤や土方であったが、逆に不逞浪士と戦ってゆく覚悟のなさを指摘され、土方は己の甘さを思い知る。約半月後、会津藩主・松平容保公の謁見が決まり、上覧試合が取り行われる。
第6話『闇よりの咆哮』
新見の紹介で、蘭方医の雪村綱道なる人物が浪士組を訪れる。人材不足を解決する妙案があると言ってほくそ笑む新見に対して、土方らは不信感を募らせていた。そしてその夜、八木邸に突如絶叫が響き渡る――悲鳴の主は、理性を失った人ならざる者で、駆けつけた藤堂たちに襲いかかる。